福利厚生の利用率が低い!原因や利用率アップの方法を解説

福利厚生を充実させると、従業員の心身の健康維持や雇用満足度向上につながるなど、さまざまなメリットがあります。しかし現実には、福利厚生の利用率が低く、悩んでいる人事担当者の方は多いのではないでしょうか。

福利厚生が利用されない原因を把握し、適切な対策を講じることで、福利厚生の利用率を上げることが可能です。

そこで、今回は福利厚生のメリット・利用率の目安・利用率が上がらない理由・利用率を上げるのに効果的な対策などをご紹介します。利用率アップに役立つ基礎知識を身に付け、気軽に利用される福利厚生を実現させましょう。

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福利厚生の充実化によるメリット

福利厚生を充実させることで、従業員だけでなく雇用者側にとっても、さまざまなメリットがあります。その代表例は次の4つです。

  • 心身の健康維持
  • 従業員満足度の向上
  • 従業員の採用時に有利
  • ブランドイメージの向上

福利厚生を充実させることが、どのようにプラスに働くのか、もう少し詳しく見ていきましょう。

心身の健康維持

福利厚生を充実させることは、従業員の心身の健康状態を良好に保つことにつながります。

グルメ・スポーツ・メンタルヘルスケアなどのメニューを福利厚生で提供すれば、従業員は、効率的に気分転換やストレス解消ができるようになるからです。

従業員が体や心に不調をきたすと、業務が滞る、社内の人間関係や雰囲気が悪化するなど、組織全体にも大きな悪影響が及んでしまいます。そうなると、組織全体の生産性や業務効率の低下は避けられないでしょう。

そのため、福利厚生で従業員の健康をサポートすることは、組織全体の生産力を向上させ、ひいては企業の発展につながる重要な取り組みなのです。

従業員満足度の向上

福利厚生を充実させることは、従業員満足度を向上させることにつながります。

福利厚生が充実すると、

  • ワークライフバランスが整い、充実した毎日を送れる
  • 職場環境が改善され、従業員のモチベーションや達成感を上げられる
  • 子育てや介護などで状況が変化しても、安心して働き続けられる

といった充実感を得ながら無理なく働き続けられる職場環境を実現できます。

従業員の満足度が高い状況を維持できれば、離職率を下げることができます。
また、従業員のモチベーションを高く保てると、売上の向上にも期待できるでしょう。

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多様な属性の従業員が集まる企業の福利厚生の導入には多くのリソースがかかりがちです。そんな課題を解決するためには福利厚生のアウトソーシング化。代行サービスを利用することは有効な手段となります。

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従業員の採用時に有利

福利厚生を充実させることには、従業員の採用時に、人材確保をスムーズに行えるメリットもあります。

就職先を選ぶにあたって、福利厚生面の充実度を基準のひとつにするケースは多いからです。
独立行政法人労働政策研究・研修機構が2020年に行った「企業における福利厚生施策の実態に関する調査」によると、20代の52.6%という過半数が、勤務先を選ぶときに福利厚生の内容を重視したと回答しています。

少子化による人口減少に伴い、年々従業員の確保が難しくなっています。そのような中でも、福利厚生を充実させれば他社と差別化し、就職希望者を集めやすくなるでしょう。

ブランドイメージの向上

福利厚生の充実は、その企業のブランドイメージ向上に役立ちます。

福利厚生を充実させている企業は、「従業員を大切にしている」というイメージを、対外的にアピールすることができるからです。

企業の社会的イメージが向上すれば、

  • 採用活動の際に、就職希望者を集めやすくなる
  • 従業員の健康や労働環境へ配慮していることで、ESG投資において投資家に選ばれやすくなる

などの良い影響が期待できます。

このように、福利厚生は従業員のためだけにあるのではなく、企業活動全体に恩恵をもたらすものであることを覚えておきましょう。

福利厚生の利用率の目安

福利厚生の導入や変更について検討するには、「そもそも福利厚生の利用率は低いのか、高いのか」を明らかにする必要があります。

このとき目安になるのが、独立行政法人労働政策研究・研修機構が2020年に行った「企業における福利厚生施策の実態に関する調査」です。この中で、導入されている福利厚生で利用率が高いものは、軒並み30%を超えています。

導入されている福利厚生制度の利用率(上位10項目)

  • 福利厚生の内容 利用率
  • 食堂 58.9%
  • 食事手当 53.4%
  • 社員旅行の実施、補助 47.3%
  • 診療所、健康管理センター等医療施設 43.4%
  • 社内預金制度 39.5%
  • 運動会等のレクリエーション活動の実施 39.3%
  • 外部飲食店で利用できる食券等の配布 38.4%
  • ノー残業デー等の設置 38.1%
  • 人間ドック受診の補助 37.6%
  • 有給休暇の日数の上乗せ(GW、夏期特別休暇など) 37.4%

福利厚生の利用率について判断するときには、この数値を目安にした場合、

  • 30%以上の従業員が利用していれば「利用率が高い」
  • 30%を下回るようであれば「利用率が低い」

と捉えておくとよいでしょう。

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福利厚生の利用率が上がらない理由

福利厚生の利用率が伸び悩んでいるときの、よくある理由は次の3つです。

  • 従業員が求めている福利厚生ではない
  • 福利厚生の存在が周知されていない
  • 利用手続が面倒である

どのようなところが福利厚生の利用率低下を招いているのか、以下で説明していきます。福利厚生を、より使われやすく改善するための参考にしてみてください。

従業員が求めている福利厚生ではない

福利厚生が従業員の求めているような内容ではない場合は利用率が下がります。従業員のニーズを満たす魅力的なものでなければ、利用したいとは思わないからです。

例えば、レジャー施設やフィットネスクラブなどを割引価格で利用できる福利厚生があっても、近くに利用できる施設がなければ喜ばれないでしょう。また、単身者が多いのに子ども向け施設の優待があっても利用率は上がりません。

「従業員の求めているものは何か」「希望に応えるには、どういう内容が適切か」を正しく把握して、制度設計を行うようにしましょう。

福利厚生の存在が周知されていない

福利厚生の内容自体に問題がなくても、その存在が従業員に周知されていなければ、利用率は上がりません。

制度の具体的な内容や利用するための手続きがわからなければ、福利厚生を利用することができないからです。

また、従業員が日々業務などに追われていると、福利厚生についてわざわざ調べることを手間だと感じるケースもあります。たとえ福利厚生の情報を整理して閲覧可能にしていたとしても、それだけでは利用率向上は難しいでしょう。

福利厚生の利用率を上げるためには、こまめに積極的な情報発信をしていくことが欠かせません。

利用手続が面倒である

福利厚生を利用する手続きが煩雑だと、従業員は面倒に感じて利用しなくなってしまいます。

例えば、「複数の書類を作成し提出しなければいけない」「多くの決裁を経ないと利用できない」といった手続きがある場合、従業員の立場からすると「利用するのが億劫」だと感じやすいです。

可能な限り手続きを簡略化することも、福利厚生の利用率を上げるためには重要です。

福利厚生の利用率を向上させる方法

福利厚生の利用率を上げるのに効果的な方法は、次の4つです。

①福利厚生に関するアンケートの実施
②周知の強化
③利用方法の簡略化
④制度の見直し・廃止の検討

ここでは、上記の4つの方法について、具体的にどのように実践していけばよいのかをご紹介します。

①福利厚生に関するアンケートの実施

福利厚生の利用率を向上させるには、従業員に対して、福利厚生に関するアンケートを実施すると効果的です。

利用者本人である従業員から福利厚生に関する意見を収集することで、ニーズの高い制度を正確に把握できるからです。意見を踏まえて、本当に必要とされている福利厚生制度を導入することができれば、利用率を高められるでしょう。

また、利用状況を調査し、利用率が低い福利厚生やその理由を把握しておきましょう。現状の課題が明らかになることで、効率良く改善できます。

②周知の強化

福利厚生の利用率を向上させるためには、従業員に福利厚生の内容や手続き方法をしっかり周知することが重要です。福利厚生に関する情報を整理してデータベースなどに格納するだけでは、認知度は上がりません。

周知方法としては、

  • 入社時など節目の時期に、制度の紹介をする
  • 社内報など定期的に発行する広報物で、福利厚生の内容や利用方法を載せる
  • 社内のSNSや掲示板などで、こまめに福利厚生について発信する

などが挙げられます。

③利用方法の簡略化

福利厚生の利用手続きを簡略化し、少ない手間や時間で使えるようにすることも利用率を改善させるうえで欠かせません。

誰でも簡単に利用できる環境を整えることで、これまで手続きが面倒で福利厚生を利用してこなかった層を取り込めるからです。

簡略化する際は、

  • Web上で申請するだけで利用できる
  • 福利厚生の対象サービス利用時に、会員証などを提示するだけで使えるようにする

など、ストレスフリーな仕組みづくりを心がけましょう。

④制度の見直し・廃止の検討

福利厚生制度の見直しや廃止の検討をすることも、利用率を上げる方法のひとつです。

利用率の低い福利厚生の制度を維持していても、無駄な支出がかさむだけで、従業員の満足度は高められません。それよりも、制度内容を従業員のニーズに合ったものに見直すことで、利用率を上げつつ予算を有効利用できるでしょう。

ただし、福利厚生を変更する場合は、従業員に不利益が生じるような変更を禁止する労働契約法第9条「不利益変更」に該当しないよう、注意が必要です。

制度の廃止は、利益を損なう印象を与えやすいので、代替措置を取ったほうがよいでしょう。

人気の高い福利厚生

福利厚生の利用率を上げるためには、従業員に人気の高い福利厚生を導入することが欠かせません。日本経済団体連合会が2019年に実施した「第64回 福利厚生費調査結果報告」を踏まえると、従業員に人気の高い福利厚生のジャンルは、次の3つです。

  • 住宅関連
  • ライフサポート
  • 健康関連

以下では、具体的にどういう内容か、人気の高い理由は何かなどを確認してみましょう。

住宅関連

住宅関連の福利厚生は、住宅に関係するお金を支給する住宅手当や現物を支給する社宅などがあります。

 福利厚生の例
住宅手当賃貸の家賃分を支給する家賃補助
持ち家のローン費用の一部を支給する意味合いの持ち家援助
社宅会社が所有する不動産を提供する社有社宅
会社名義で借りている不動産を提供する借り上げ社宅

家賃や持ち家の維持費用は金額的な負担が大きく、年齢・生活スタイルを問わずほとんどの従業員が利用できるため、住宅関連の福利厚生は高い人気があります。

ライフサポート

ライフサポート関連の福利厚生は、生活のさまざまなシーンを支援できることが特徴です。
その種類は多彩で下記のようなものが挙げられます。

  • 社内預金制度、財形貯蓄制度といった資産形成関係
  • 託児所、ベビーシッターの利用補助
  • 介護の依頼にかかる費用援助
  • 社食、食事手当
  • ショッピング補助
  • 保険サポート

ライフサポート関連の福利厚生は、本来必要だった支出を減らせたり、手元に残るお金を増やせたりするので、従業員にとってメリットが大きいのもポイントです。

健康関連

健康関連の福利厚生は、人間ドックをはじめとする健康の維持や増進をサポートできる制度です。

一例としては、

  • 健康診断
  • 人間ドックなどの法定外健康診断
  • 健康支援アプリ
  • フィットネスクラブ、スポーツジム

などが挙げられます。

健康の維持・増進は、多くの従業員にとって関心の高い項目なので、利用率も上がりやすくなります。特に全身の精密検査を受けることができ人気の高い人間ドックは保険が適用されず、受診したくてもできないケースが多いので、福利厚生に組み込むと喜ばれるでしょう。

福利厚生のアウトソーシングが便利!

近年では福利厚生をアウトソースする会社が増えています。アウトソーシングを使うことで、コストを抑えながらさまざまなメニューを用意できるうえ、管理の負担も減らせるためです。

アウトソーシングでは、幅広い年代やライフスタイルに最適なサービスを提供することができるようになるため、多くの従業員の満足度向上・利用率向上が期待できます。

Wantedlyの提供する福利厚生アウトソーシングサービス「Perk」では多数のメニューを提供しており、社員一人ひとりが、自分に合った福利厚生を利用できるようになります。導入費用も無料となっており最小限のコストで、福利厚生の充実を手軽に実現可能です。

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まとめ

福利厚生の充実には、従業員の健康維持や満足度向上、企業のイメージアップなど、多くのメリットがあります。

メリットを享受すべく整備した福利厚生の利用率が伸び悩んでいる場合、従業員のニーズに合っていない・認知度が低い・利用手続きが煩雑などの原因が考えられます。

このような場合は、適切な対策を講じたりアウトソーシングを活用したりすることで、利用率の改善が可能です。

この機会に福利厚生の利用率を改善させ、従業員の働きやすさにも組織の成長にも役立つ制度にしていきましょう。

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