「ミートアップという採用手法について聞いたけどよく分からない」、「ミートアップの効果的な運用方法が知りたい」と悩む採用担当者は多いものです。
本記事では「ミートアップとは何か」からメリット・デメリット、具体的なやり方まで紹介します。ミートアップを採用活動にうまく取り入れることで、質のいい採用母集団を形成することができます。
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採用ミートアップとは
ミートアップ(meetup)とは、共通の目的をもった人たちで集まる交流会のことです。もともとはアメリカのミートアップ社が作った造語で、ミートアップ社が提供するプラットフォームのことを指していました。
近年では、ミートアップを採用手法として取り入れる企業が増えており、採用活動の一環として行われる交流会を「採用ミートアップ」と呼びます。
採用ミートアップは、10〜20名程の小規模で行われ、企業の魅力や雰囲気を直接伝えられるのが特徴です。また、企業と求職者の交流が目的であり、採用を前提としているわけではないため、転職潜在層や通常の採用活動では出会えない優秀層にもリーチできます。
採用ブランディング・認知度向上・ファンづくりなど、企業によって開催目的はさまざまですが、採用ミートアップの形式は次の3つにわかれます。
1.交流会型
企業と求職者がカジュアルに交流する会。軽食をとりながら互いに質問や意見交換を行う。2.勉強会型
企業が主催する特定のテーマに関する勉強会。
自社の技術力や事業内容をアピールできるため、エンジニアやデザイナーなどの専門性の高い職種に有効。3.説明会型
企業が求職者に対してミッションや事業内容などを説明する会。
通常の企業説明会よりもカジュアルな雰囲気で行われ、質疑応答に十分な時間を割けられるため、企業理解の促進や意向上げに効果的。
これからの採用は、従来の短期決戦の採用スタイルから、ファンづくりやタレントプールによる「ストック採用」への切り替えが必須です。ファンづくりの重要性やストック採用の詳細は以下の記事で解説していますので、ぜひあわせてご確認ください。
【採用の新常識】なぜ採用に”ファンづくり”と”カジュアル面談”が必要なのか
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採用でミートアップを開催する企業が増えている理由
採用活動の一環でミートアップを開催する企業が増えている背景には、少子高齢化にともなう採用難があげられます。いい人材は待っていても来てくれません。採用ブランディングを意識し、こちらから積極的にアプローチしていく必要があります。
そのため情報発信の手段として、転職潜在層へ働きかけられるミートアップが増えてきました。ミートアップは、記事やSNSでの発信よりも、直接的に企業の魅力や雰囲気が伝えられます。
若手人材やミレニアル世代はキャリア観が多様化し、条件より企業のミッション、カルチャーや働きがいを重視する傾向にあります。ミートアップを通じて、記事や募集要項だけでは伝わりきらなかった自社の魅力を感じてもらうことが可能です。
以下の記事では、これからの採用に必要な基本的な考え方や、採用のトレンドについてわかりやすくまとめています。ぜひご一読ください。
【採用の新常識】上手くいかない採用から脱却するために必要な考え方
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/recruiting_textbook
採用でミートアップを活用するメリット・デメリット
メリット
自社のファンを増やすことで採用の母集団を形成できる
ミートアップは社員と参加者が実際に会って話すことで、相互理解が深まりやすくなります。成功させるポイントは、1回につき10名ほどの小規模開催にすることです。
一人ひとりとしっかり交流できるので、ファン獲得につながりやすくなります。1人ファンを獲得すると、知人に紹介してくれる可能性があるためファン層を拡大していけるかもしれません。
また、ミートアップを開催することで「自社に転職する気がなかった転職潜在層」にアプローチができます。
ミートアップのメディアによっては、ユーザーのプロフィールが確認できるので、ユーザーが興味を持ちそうな勉強会を直接案内するのもおすすめです。
ファン獲得のために、参加者にとってメリットのある会にすることが大切です。魅力的なテーマ選定によって参加者が増え、通常のの選考では出会えなかった人材とつながることができます。
カジュアルなミートアップは参加ハードルが低いため、参加者の転職意欲は高くありません。ミートアップ終了後は丁寧なアプローチを意識しましょう。
会社のカルチャーを伝えるのに適している
ミートアップでは社員と参加者が交流できます。面接よりリラックスした雰囲気でやり取りするため、会社のカルチャーを感じてもらいやすいことが魅力です。
会社のマネージャー職や経営者が出席し参加者の満足度を上げている企業や、軽食だけでなくお酒をのみながら会話を楽しんでいる企業もあります。
「会社の雰囲気を伝えるのが難しい」と悩んでいる採用担当者は多いものです。ミートアップで社内の様子を見せると、写真や文章で分かりにくい会社の雰囲気が伝わりやすくなります。
社内で開催すれば会場費もかかりません。限られた時間と人手で会社を知ってもらうことができます。
デメリット
業務負荷が高い
デメリットは業務負荷が高いことです。「企画立案」と「集客」は業務負担が大きく、当日イベントの運営のための人員やスピーカー(モデレーター)の確保も必要です。
企画の負荷を低くするために、反応が良かった企画を定期的に回していくやり方がおすすめです。複数回同じ会社の、採用に関連するミートアップに参加する人はあまりないので、必ずしも毎回新しいテーマを考える必要はありません。
ミートアップは人が集まることで成り立つので、集客には力を入れたいところです。SNSにくわえ、ミートアップに適した告知媒体を選定しておきましょう。ミートアップは継続して開催していれば、評判が広まり、参加者も集まりやすくなっていきます。
採用ミートアップを開催する手順
ミートアップの開催方法は全部で5ステップです。
ステップ | 内容 | ポイント |
1 | テーマを選定 | ・誰をターゲットにし、どんな感想をもって欲しいか、から逆算してテーマを決める |
2 | 告知 | ・日程と会場を決め、自社からの参加者をおさえる |
3 | 参加者を選定 | ・参加者は10~20名ほどにしぼる(抽選制を採用) |
4 | 開催 | ・参加者だけが聞ける独自の情報を用意 |
5 | 継続開催 | ・継続的に開催することが成功の秘訣 |
採用ミートアップを成功させる4つのポイント
続いて、採用ミートアップを成功させるポイントを4つご紹介します。
1.定期的に開催する
採用ミートアップは、長期的な視点での母集団形成を目的としているため、数回のみの開催では効果が得られません。継続的に取り組むのが成功のポイントです。
また、定期的に開催することで候補者とのつながりを維持できます。ミートアップに何度か参加するうちに意向が高まり、応募につながることもあるでしょう。
2.オンラインで実施する
ミートアップを手軽に開催する方法は「オンライン開催」です。地域に関係なく参加してもらえ、お昼時を狙うこともできます。日本ではオフラインのミートアップが主流でしたが、海外では以前からオンラインミートアップが行われています。アフターコロナ後の日本でもオンラインミートアップは定着すると考えられています。
オンライン開催であれば、会場の設営をしなくて済む他、当日の運用コストも減ります。また参加のハードルが下がるため、参加者も集まりやすいです。
3.開催後の参加者フォローをする
採用ミートアップはアフターフォローも重要です。
ミートアップ開催後は、当日取り上げたテーマや自社に関する資料を参加者に送付したり、次回イベントの案内をしたりなど、自社に対する興味・関心を維持できるようなフォローを行いましょう。時間が経つにつれ興味・関心は薄れてしまうため、当日中または翌日までに、参加のお礼を伝えつつフォローするのがポイントです。
応募意欲が高まった候補者がいることも想定し、カジュアル面談や選考を案内するのもよいでしょう。
Wantedlyでは、カジュアル面談の運用に悩む方々のために、カジュアル面談で必ず知っておくべき知識や失敗しないための方法などのノウハウを1つの資料にわかりやすくまとめています。ぜひ一度確認してみてください。
4.ミートアップのメディアで集客する
以下のサービスを活用すれば、効率的に集客できます。
Wantedly
Wantedlyでミートアップの集客を行うことができます。
募集記事の作成方法とほぼ同じなので、今までWantedlyを使っていた方なら簡単に告知記事の作成ができます。
イベント応募者とは個別にメッセージでやり取りすることもできます。応募者にラベル付けしたりメッセージを一括送信したりできるので、定員に対してエントリー数が多いときでも手間がそれほどかかりません。
Wantedlyでは、フォーマットに沿って画像、文章を作成するだけで簡単にモダンな採用ページを作れるため、自社採用ページとしても有効活用できます。また、作成した会社ページは高い確率でGoogle検索の1ページ目に表示されます。Wantedlyでできることや具体的な料金についてサービス資料にまとめていますので、一度確認してみください。
connpass
connpassはIT勉強会支援のプラットフォームです。エンジニアの登録が多い傾向にあります。エンジニアの参加を集めたい場合は、活用を検討すると良いでしょう。
参加したユーザーは自動的にグループメンバーに記載され、アンケート回答も閲覧できます。iPhoneアプリもリリースされているのでユーザーにとっても使いやすいサービスです。
Meetup
Meetupは「ミートアップ」という言葉の語源となった世界最大級のローカルコミュニティ交流プラットフォームです。2002年に誕生し、世界180カ国2,700万人が使用しています。2015年10月から日本語で利用ができるようになり、日本では17万人以上が利用しています。
イベントを開催するのは有料です。メンバー数に制限がないプランは、6カ月契約の場合、月額4.99ドルからで日本円にして約600円です。
ユーザー数が多いのが強みでしょう。
採用ミートアップの成功事例5選【新卒・中途別】
最後に、採用ミートアップの成功事例を新卒・中途別にご紹介します。ぜひ各社の施策やコンテンツを参考にしてみてください。
新卒採用の成功事例
まずは、新卒採用の成功事例を2社ご紹介します。
1.株式会社マネーフォワード
株式会社マネーフォワードは、「お金を前へ。人生をもっと前へ。」というミッションのもと、さまざまな金融系サービスを提供している企業です。同社は採用イベントで「マネーフォワードのことを知っている人」と質問した際、100名中2名しか手が挙がらなかったほど、学生からの認知度の低さに悩まされていました。
そこで同社は、企業名を単体でアピールするのではなく、FinTechに興味のある人が自社を認知する仕組みを作れるようミートアップを開催。企業説明会ではなく「FinTech勉強会」という名目で1対nのイベントを頻繁に開催したことで、認知度向上と母集団形成に成功しました。
結果として、初めての新卒採用でありながら26名の採用に成功。最近は長期インターン経由での新卒採用にも成功しています。
2.株式会社TBM
株式会社TBMは、プラスチックや紙の代替となる革新的新素材「LIMEX」を開発・製造・販売するスタートアップ企業です。
同社が採用成功した秘訣は、リクルーター制度による徹底的な個別フォローと、ミートアップによる母集団形成です。事業部から抜擢したリクルーターが学生の見極めや動機づけを担当することで、質の高い母集団形成および採用担当者との役割分担に成功。ミートアップは企業説明と座談会をセットにして週2回開催しました。
その結果、初めての新卒採用でありながら約3ヶ月という短期間で11名の採用に成功。また、内定承諾率は9割以上と非常に高く、採用単価は約20万円まで抑えられています。
中途採用の成功事例
続いて、中途採用の成功事例を3社ご紹介します。
1.株式会社favy
株式会社favyは、シェア型フードホールの運営や、店舗DXのためのモバイルオーダー・サブスクシステムを展開するベンチャー企業です。
同社は、転職潜在層を含む多くの人材にリーチできるよう、匿名参加OKのオンラインミートアップを定期的に開催しています。
ミートアップの所要時間は約1時間で、前半は企業説明、後半は質疑応答を実施。毎月異なる部署に特化した内容で開催し、自社ブログや各社員のSNSで告知を行っています。
【参考】ローコストで月間150件の応募を獲得|株式会社favyのファンを増やす採用サイクルの秘訣とは?
https://www.wantedly.com/hiringeek/interview/eventreport_20240220/
2.キャディ株式会社
製造業の受発注プラットフォームを提供しているキャディ株式会社は、半年間でミートアップの参加人数1,000人を達成したことで知られています。
2019年12月に『WANTEDLY VISIT AWARDS 2019』で「Selection賞(求人・ミートアップへのエントリー数が多く、Wantedlyユーザーからの高い人気を集めた企業に贈られる賞)」を受賞しました。
2018年12月の資金調達後、採用活動に注力し頻繁にミートアップを開催しています。2019年度は40回開催しており、1カ月で10回以上開催したり、月~土まで毎日開催したりする週もありました。
ミートアップごとにアイスブレイクを徹底し、チャットで盛り上げ、zoomのブレイクアウトルーム活用によって参加者とより深いコミュニケーションを取ることにも成功しています。
Wantedlyでは、注目のスタートアップ2社ををお招きし、採用成功の秘訣や工夫のポイントについてトークセッションを行いました。イベントの内容は以下の資料にまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
3.株式会社メルカリ
フリマアプリ「メルカリ」運営の株式会社メルカリは、2016年に採用活動でミートアップを取り入れました。メルカリは質の高いイベント構成によりミートアップが成功しているお手本です。
メルカリはエントリー時にフォームで「職種」や「社員に聞きたいこと」などをヒアリングしています。それによりテーマに関心の強いメンバーを集めることができ、来場者同士の話が弾みやすくなっています。
ミートアップ取り組み開始後10カ月で、のべ700人以上が参加しました。メルカリファンが増えたうえ、参加者のつながりから採用に至るケースまでありました。現在も「半年や1年という中長期的な目線でファン作り」を目指していて、月3回ほど開催しています。
まとめ
採用ミートアップは、企業の魅力や雰囲気を直接伝えられ、転職潜在層や通常の採用活動では出会えない優秀層にもリーチできます。
イベント企画や集客などの業務負担は大きいものの、採用ブランディング・認知度向上・ファンづくりなど、長期的な視点での母集団形成に有効です。
Wantedlyにはミートアップ機能がついているため、簡単にイベントの集客や告知ができます。ミートアップの導入を検討している方、効率よくイベント開催したい方は、ぜひ以下の資料をダウンロードしてみてください。