なにをやっているのか
USP(Universal Shell Programming)研究所は、UNIX/Linuxの基本思想である、「小さな道具」(コマンド)を組み合わせて「問題を解決する」(シェルスクリプト)手法の研究・普及を行っています。この開発手法(ユニケージ開発手法)は、従来のウォーターフォール型開発や、オブジェクト指向言語・データベースソフトを用いた開発手法と一線を画し、圧倒的な開発生産性 圧倒的な柔軟性を特徴としています。
ユニケージ開発手法による簡潔なソフトウエアは、分断された専門分野をもう一度統合し、一人の人間が、自分の力のみですべてのシステムを構築できる可能性を孕んでいます。ユニケージ開発手法は、開発生産性が産み出す様々な成果を全人的な人材育成に振り向けることにより、エンジニアが企業活動や人間洞察においても深い造詣を持つべきだという哲学を持っています。実社会のシステム構築の仕事を通じ、世情と人情とコンピュータに深く通じる人材を育成することで、私たちの社会に対して実質的な貢献ができると思っています。このような、柔軟かつ簡潔なソフトウエア開発技術の深耕は、利用者や開発者はもとより、現代社会に大きな福音をもたらし、人間中心の真の情報化社会を推進する起動力になると確信しています。
なぜやるのか
ビジネス界において、もはやコンピュータによる情報処理は日常化しており、コンピュータ無くしてビジネスの成立はありえない、と言っても過言ではありません。しかし、ハードウエアの処理能力が飛躍的に向上したにも関わらず、肥大化したソフトウエアの過大な機能によってその能力の大半が消費されています。このため、コンピュータの利用者は本来享受できる豊かなITの果実を手にしていません。また、高度に専門化したソフトウエア開発手法は、技術者と利用者との距離を広げ、システム導入と運用の高コスト化、硬直化を招いています。このような傾向は、情報化社会の質的低下をもたらすだけでなく、現代において人間が共同して働く意味にまで暗雲をもたらすものと危惧しています。
USP研究所は、システム(つながり)とコンピュータ(道具)の基本的な関係に立ち返り、UNIX思想の原点に基づき、人間の協働活動を力強く支え、より身近に利用できるコンピュータ技術を実現するために設立されました。当研究所は、シェルスクリプト(ことばで動くコンピュータ)のみを使ったコンピュータシステムの構築手法を研究し、簡潔な記述で大半の情報システムの構築が可能であることを世に知らせる使命を担っています。そして、軽量なシェルスクリプトで動作する多くのパーソナルコンピュータをネットワーク上で連携させることで、企業組織やコミュニティ活動における、公正で正確なコミュニケーションを実現するシステムを構築していきたいと考えています。