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【離職率0%の会社】

厚生労働省によると、小さな会社の新規学卒の3年離職率は約50%。これが多いのか少ないのかわかりませんが、10年前はどうだったかというとそんなに変わりません。

ちなみに、うちの会社の3年離職率は0%です。
4年でも0%。

『みんな、「就職」の時には、いろんな条件(給与とか)や、福利厚生などを見るけど、「辞める時」には人間関係でやめている』そうです。

でも、「塾」という業界はそれだけじゃないように思います。

めちゃくちゃ入れ替わりが激しいんですよね。
先生ってすぐやめちゃう。

僕は、理由は結構明確だと思っています

① 休みがない

 ⇨土日祝日などの世間一般の「おやすみ」は、塾にとっては「稼ぎどき」ですから、そこを休みにしている塾ってあまり聞いたことがありません。(金曜や土曜を休みにする飲食店なんかないように)

もちろん、年末年始なんて「受験直前」ですから、そこを休みにすることなんてなく、むしろ「合宿」にしてハチマキ巻いて「合格するぞー!」なんてやりますよね。お盆なんかも「夏休み」なんてそりゃ生徒にたくさん来て欲しいじゃないですか。

② 薄給
 
 ⇨中途採用が多いのが塾講師の特色です。さらに「離職率が高い」ので、必然的に「給料が高くなる」ロジックがないんですよね。

③ サービス提供が複雑

 ⇨これ、なかなか普通にはない構造なんです。普通のサービス業は、お金を払う人と、サービスを受ける人が同一です。(例えば、ネイルサロンに行った人は、自分でお金を払って、自分がネイルをしてもらう。飲食店に行ったら、自分がお金を払って、自分がご飯を食べる)

  でも、塾の場合は、お金を払うのは「親」で、サービスを受けるのが「子ども」です。

 なので、「子どもが好き」で、子どもたちを笑顔にしたい、この子達の将来のために!と思って塾講師になった人は、大抵、「え!? めっちゃ親の相手しないかんやん!」となりますし、そもそも、どう考えても理不尽なクレームを受けることもあります。(そんなことしてないし!みたいなことでも子どもを通じて親に話がいくとそうなります)

 それでストレス値が高くなります。

④ 自分が努力をしても、結果を出すのは生徒

 ⇨多くのビジネスでは、自分が努力をして、その結果を自分が受けます。なので、努力次第やその方法で、成長することもあればしないこともあります。
しかし、塾の場合は、結果を出すのは「講師」ではなく、「生徒」なんです。
「生徒が講師を評価をする」というよりも、「生徒が(社会や進学先に)どう評価されたか=講師の評価」

⑤ 提供サービス以外のことを求められる

 ⇨塾が提供するサービスは、「五教科の指導」です。これは当たり前のことです。塾に月謝払ってるのに「晩御飯を食べさせてくれない!」なんていう人はいません。しかし、「家族の相談」「学校での相談」とかで塾を訪れる人は結構います。

⑥ 未来が想像できる

 ⇨「ずーっとこれをやり続けるんだなー」と思っちゃう。「人を成長させる」のはいいのです。そして家族とかだと、思春期の時期が過ぎれば、その時はグチャグチャでも、「あれは良い思い出だなー」となります。しかし、塾の場合は、一人の生徒さんが成長したとしても、卒塾して、新しく生徒さんが入ってきたら、また「ゼロ」からやり直しで、「同じことを何回続ければ良いんだろう」となるのです。「賽の河原」にいるような感じ。(中高生の子どもを持つ家庭の悩みやトラブルはだいたいどこも一緒。それを毎年大量に受ける)

⑦ 斜陽産業

 ⇨少子高齢化ですから、これから「右肩上がりに伸びていく」産業ではありません。業界としての未来に希望がない。

⑦ なり手が少ないから、人手が慢性的に足りない

 ⇨離職率が高いということは、人手が慢性的に足りなくなるということです。なので、残った人たちは少ない人員で回すことになり、ますます酷使され、疲れ切ります。

さあ、どうでしょう?

塾業界の離職率が高いのも、「そりゃそうだ!」となりますよね。

経営者の立場からすると、「しゃーないやん・・・・・・」となります。

僕がこの業界に入るときにも、ハッキリ言って、「なんだこれ」と思ったものです。

ただ、逆に、「あ、これはラッキーだな」とも思いました。

なぜかというと、

(続く)