はじめまして。
株式会社タシロイーエル 広報担当です。
私たちは、創業から60年以上、航空宇宙部品・ロケット部品の製造に携わってきました。
当社が取り扱っている精密部品は、H2A/H3ロケット部品をはじめとした宇宙産業関連や電子顕微鏡、半導体関連、防衛関連など、次世代の日本産業のために役立っているものばかりです。
今回は、そんな私たちの『ものづくり』に関する想いについてお話したいと思います。
“技能”は人に宿るもの。
まず、みなさんは、“技術” と “技能” のちがいを知っているでしょうか?
似たような言葉ですが、少し意味が異なります。
“技術” は、会社や学校で知識として教えてもらえるものです。
マニュアル化したものがあれば、誰でもできます。
反対に “技能” は、その知識を活かし、何度も経験を重ね、作業者の血となり肉となって身体に染みついていくものです。
“技能” は、『人に宿るもの』だとも言われています。
技能は例えるなら、スポーツのようなものでしょうか。スポーツは本や動画を見るだけでは上達しませんよね。何度も同じ練習をして、鍛錬を重ねていくことで、少しずつコツをつかんでいく。技能も同じで、ただ教えられるだけではなく、それをいかに磨いていくかが大切です。
私たちの考える『ものづくり』には、そんな “技能” の継承が必要不可欠です。
特に、当事業で必要な技能は、大手メーカーでも教えるのが難しいと言われています。
そんな難しい技能を、磨ける場所を提供していくのは私たちの責任であり役目です。
当社では、「技能検定」を推進することで、技能継承の見える化に努め、仲間と共に切磋琢磨できる環境を整えています。
日本のモノづくりの原点は、「日本刀」にあり。
私たちは、日本のものづくりの原点は、日本刀だと考えています。
「折れず曲がらず、よく切れる」という日本刀の特徴は、鉄の性質を考えてみると簡単にできるものではありません。当時の職人たちは、そのクオリティを実現させるのに、様々な工夫を詰め込んでいます。特に、鍛えた複数の地鉄を組み合わせ、さらに鍛えあげていくという焼き入れは、日本刀独自の工程です。
この工程は、日々の研鑽を通して技能を磨いていくという、日本のものづくりに大切な『鍛錬』という言葉を生み出すきっかけともなっています。
日々自己研鑽を行い、鍛錬を積み重ね、技能を獲得していく日本のモノづくりの精神は、日本刀に由来しているのです。
私たちは、難削材や難加工品を作ることのできる職人を育てあげることで、日本刀づくりから生まれたものづくりの精神を継承し、日本の製造力を次世代へと繋いでいきたいと考えています。
ものづくりは「ヒトづくり」。
作り手の人柄が映し出されてしまうのがものづくりの面白さであり、怖さでもあると思います。
適当な技と想いで作れば適当なものが生まれてしまう。だからこそ、私たちはより良いものづくりのために「人材育成」にも力を入れます。
「モノづくりはヒトづくり」と、この業界ではよく言われています。
技術や技能を磨くのはもちろん、社員一人一人が誠実に仕事と向き合うこと、お客様の想いに寄り添えること、といった心を身に付けていくことも大切です。
しかし、ただ教えられるのではなく、自分で考えて動けるようになるのが重要です。
そのため、当社ではマニュアル化を減らし自分で考え仕事ができる環境を整えています。
自ら考え、課題を見つけ、改善していき、どんな状況でも「考えられる力」を身に付けていってほしいと願っているからです。
また、自分の作業だけでなく、次の工程、使う人、営業、顧客、全体のことを考えた作業も意識してもらいたいと考えています。
技能を磨くということは、人間力を磨くことにもつながっています。
AIにはできないものづくりが、当社にはある。
近年、NC旋盤加工機でも、AI機能を搭載したモデルが普及し始めています。
実際に、いくつかの工作機メーカーでは、導入をスタートさせているところもあるようです。
いずれ、私たちの仕事は奪われてしまうのではないかと、心配している求職者のみなさんもいるのではないでしょうか。
しかし私たちは、難切削材や複雑形状、試作品といった開発は、人の手を介した方が上手くいくのではないかと考えています。
依頼をしてくださるお客様の熱量と想いを汲み取り、オーダーメイドのプログラミングを行うといった、温かい心の通った技能や技術は、AIに真似できることではないと自負しています。
考えることをやめて、AIの機能に頼って、良いものをお客様に提供することはできません。
実際に手と体を動かし、汗と涙を流し、試行錯誤した末にたどり着いた技能や技術が、開発には欠かせない要素なのだと考えています。
高品位な「ものづくり」によって、社会貢献を行う。
これは、タシロイーエルの経営理念です。
これまでお話してきた、私たちのものづくりへの想いは、この一文にしっかりと込められています。
世界の歴史を見ていても、製造業は国の発展の原動力であり、未来でも欠かすことのできない業界です。
私たちは、そんな日本の発展を支える一企業として、高品質・高品位なものづくりに尽力し、地域社会に貢献することを目指しています。
また、大田区の町工場同士の交流を深め、互いの技術を高め合っていく取り組みも行っています。
小さなネジ一つでも、多くの人の生活を支えていることを誇らしく思い、これからもより良いものづくりを提供していけるよう努めていく所存です。
最後まで、読んでいただきありがとうございました。
私たちのものづくりの考えに共感していただき、「株式会社タシロイーエル」に少しでも興味を持っていただいている方がいれば嬉しいです。
タシロイーエルの現メンバーは11名と少数精鋭です。
工業系の学校出身者だけではなく、美術系や文系など、全くの未経験から活躍している社員もたくさんいます。
ものづくりが好きで、やる気があれば、未経験からでも問題ありませんので、ぜひ応募をご検討ください。
実際に、モノづくりの現場を見てみたいという方も相談していただければ対応しています。
あなたとの素敵なご縁があり、お会いできることを楽しみにしています。