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会社員、公務員、フリーランス。模索し続ける理想のキャリア

皆さんは、普段どんな場所で仕事をしていますか?
事務所、店舗など人によってさまざまだと思います。
その中で、自宅と答えた方はどれぐらいいるでしょうか。

私は今、自宅で子どもの成長を見守りながら、自らのスキルやキャリアを活かしフルリモートの仕事をしています。

しかし、この働き方にたどり着くまでには、長い時間がかかりました。
現在も模索し続けている私のキャリアについて、過去を振り返りながらご紹介します。

目次

  • 会社員:決断ができず葛藤し続けた10年
  • 公務員:自分の仕事が誰かのためになるという実感
  • フリーランス:理想のくらし実現に向けたチャレンジ
  • まとめ

ライター

岩下直人

千葉県船橋市出身。新卒でスポーツ用品メーカーに就職後、研究員として10年間勤務。退職と同時に家族4人で北海道下川町へ移住。役場職員として勤務していたが、子供と過ごす時間を増やしたいとの思いから再び退職し、HELP YOUにジョイン。現在はフリーランスとして活動中。

会社員:決断ができず葛藤し続けた10年

会社員時代は、山から海までとにかく色々な場所を走っていました

2013年4月、私は大手スポーツ用品メーカーへ就職しました。
2ヶ月の研修を経て、材料の研究開発担当としてキャリアをスタートします。

研究所では、様々な経歴をもつ先輩社員たちが、世の中にない新材料を開発するために日々研究を重ねています。
それぞれの強みを発揮している先輩方は、とても輝いて見えました。

「新しいモノを創り出すぞ」という熱意のもと、毎日遅くまで残って作業する生活は大変な一方でとても刺激的でした。
仕事終わりに、先輩の車で送ってもらいつつ夕飯を一緒に食べるのも楽しみの一つでした。

2年ほど経ち、今後のキャリアについて少しずつ考え始める

部署配属から2年も経つと、ただがむしゃらに(ひたすらに)目の前の仕事と向き合い続けてきた私でも、少しずつ仕事の全体像が見えてきます。
すると、今後自分はどうなりたいのか、キャリアの将来について考えるようになりました。

私自身、入社当初から全社横断型のプロジェクトを担当させてもらっていました。
それは、材料の研究開発とは別の仕事で、製品の生産技術に関する研究です。

私が所属していた業界のものづくりは、いまだに多くの製造工程が人の手作業によるもので、人件費の安い国を探しては工場を移転し、ということを繰り返していました。
私は、その人の手に頼った製造工程を機械に置き換える、さらには自動化するということに挑戦していました。

当時は業界でもまだまだ未開拓の分野で、少ない参考情報を元に泥臭く、技術開発に取り組んでいたことを覚えています。
また、やりがいや責任感のある仕事で、新人のころから携われることはとても貴重なことだとも感じていました。

その一方で、自分には「何としてもこのプロジェクトを成功させる」といえるほどの熱意がないことにも気づき始めていました。

機械化、自動化というのは、大量生産がそもそもの前提にあります。
そのため、いわば誰がやっても同じ商品を作れるようにすることが目標。

しかし、私の中で大切にしたいものづくりというのは「一つひとつが人の手によって丁寧に作られたもの」でした。
オーダーメイド、クラフトマンシップなどと聞くと、イメージしやすいでしょうか。

つまり、プロジェクトで目指すべき方向性が、個人として大切にしたい価値観と真逆であることに気づいてしまったのです。

そのため「会社でも重要なプロジェクトを少しでも前に進めるんだ」という使命感と、個人的に大切にしたい価値観との間で、とても葛藤しました。
そして、興味がない仕事でこのままキャリアを積み上げていっても大丈夫なのか、と何年も悩み続けました。

気づけば入社して9年。
先輩のサポートとして入ったプロジェクトも、リーダーとしてチームを引っ張っていく存在に。
上司からも、次期リーダーとしての成長を期待されていました。

その一方で、気力がわかず淡々と仕事をこなしているという感覚だったことを覚えています。
今振り返ってみると、自分の気持ちに蓋をし続けたことが原因だったのかもしれません。

まるで、「燃え尽き症候群」のような状態でした。

移住という大きな転機が、キャリアの方向性を大きく変えた

そうして何もできないまま時間だけが過ぎていきました。
しかし、2022年に大きな転機が訪れます。
それが、「移住」です。

以前、子育て環境を考えて移住したことを書きました。

移住という大きな決断に直面したことで、自身のキャリアを強制的に見直す良いきっかけになったと感じています。

ただ、生活だけでなく仕事の環境までも大きく変えることになるため、不安が大きかったのも事実です。
それでも、理想とする豊かなくらしに少しでも近づけるのであれば、ここで出会ったのも何かの縁ではないか。
そう考えて、新天地へ飛び込むことを決意しました。

公務員:自分の仕事が誰かのためになるという実感

業務で訪れた木材貯蔵現場。視察の受け入れなども行っていました

そして2023年3月、新卒から10年勤めた企業を退職し、移住先で新たなキャリアをスタートします。

会社員から公務員への転身。
まさかこんな展開が待っているとは、私ですら思ってもみませんでした。

会社間でも異なる文化を持っていますし、そこに適応していく難しさはあると思います。
まして公務員がどういうものかを全く知らず、半ば勢いで飛び込んだようなもの。

実際、仕事の進め方一つから様々なことが異なり、適応するのにとても苦労しました。
加えて以前は研究という専門職だったため、事務を経験するのは初めてのことです。

それでも、仕事に対する向き合い方は役に立つ。そう信じていました。

一つひとつの目的をきちんと理解し、自分の言葉で表現できるまで落とし込むこと。
誰かに伝える場合は、相手が何を求めているかを考え、丁寧に分かりやすい言葉で説明すること。

具体的な業務は多岐にわたりましたが、とにかく上記2点だけは忘れずに心がけていました。

理想のくらしを求めて早期退職を決意

すると、少しずつ仕事の成果が出始め、任される業務も増えていきました。
また、「自分の仕事が誰かのためになる」という実感を直接味わえるのは、地方公務員ならではの良さだと思います。

その一方で、夜や土日も出勤することが増え、自分の中で違和感が強くなっていきました。
そしてある日、夜遅くに勤務先から歩いて帰る途中、満天の星空を眺めながらふと、

「自分は何のためにわざわざ移住という判断をしてまで、この町へ来たのか?」
「娘たちがのびのび遊べる環境で、豊かなくらしをすることではないか?」

という想いに気づいてしまいました。

そして、「何とか環境を変えよう」と考えるようになりました。
でも、具体的にどうすれば良いかが分からない。

転職するにしても、下川のように小さなところでは、雇用が町と強く紐づいています。
となると、町内で働ける別の仕事を探すか。
それも私の中で納得できる答えではなく、しばらく行動を起こせずにいました。

フルリモートワークという突破口

豊かなくらしを実現するには、家族と過ごす時間を増やしたい。
では、フルリモートワークであれば、家族と触れ合いながら自宅で仕事ができるのではないか?
そんな想いで、求人を探すようになっていきました。

そしてあるとき、「オンラインアウトソーシング(※)」という言葉が目に留まります。
これが、HELP YOUとの出会いでした。

「これまでのキャリア・スキルを活かしながら、自宅でやりがいのある仕事ができる。」
これが私の求めてきた生き方だと、大げさかもしれませんが、そう感じました。

期待感やワクワクが高まる一方で、正規雇用を離れフリーランスとして生きていくことに対する不安もありました。
一家の大黒柱として、そのような決断をしても良いのかと。

そこで、これまで移住、転職とさまざまな局面でともに悩み、話し合ってきた妻に不安を打ち明けました。
すると、妻はこう答えました。

「人生一度なんだから、チャレンジしてみても良いんじゃない?生活費のことなら、私が働く時間を増やせばつないでいけると思う。」

背中を押してくれた妻のおかげで、私はフリーランスとしての一歩を踏み出すことに。
こうして、8ヶ月で公務員としてのキャリアを終えることとなりました。

※オンラインアウトソーシングとは在宅でインターネットを活用し、業務サポートを行うサービス    

フリーランス:理想のくらし実現に向けたチャレンジ

平日の子どもたちの遊び相手は、私の役割になりました

 
無事、HELP YOUのメンバーとしてジョインすることが決まり、2024年1月からフリーランスとしての生活が始まりました。
とはいえ、町での暮らしそのものは変わりません。

ただ、家から一歩も出ずに仕事ができるという不思議な感覚。
家族以外に言葉を交わす相手はいませんが、チャットを通じて多くの同僚たちと連絡を取り合える。

これはインターネットが普及した現代だからこそできる仕事だと、強く感じました。

現状と目指すキャリアの方向性

HELP YOUでの働き方はとても自由度が高いと感じています。
一方で、研究開発、事務という自身のキャリアがどう活かせるのかという不安はありました。

そのため、まずは「新人OK」の案件から挙手し、少しずつ仕事を増やしていきました。
ただ、初めてのクライアントワークで、立ち振る舞いに戸惑う場面も。

それでも、仕事に対する基本的な向き合い方は変わっていません。
「丁寧に、相手に喜んでもらえる仕事やコミュニケーションを心がけること。」
相手の顔が見えていなくとも、やることは同じだと考えています。

現在は事務サポートなどの仕事を受け持ちつつ、ライティングやweb制作などのスキルを向上させるため、日々勉強と実践を繰り返しています。

やる気さえあれば、チャレンジの場を与えてくれるHELP YOUには本当に感謝しかありません。
これからも、人を笑顔にできる仕事を続け、豊かなくらしにつなげていきたいと思います。

まとめ

私が、大学時代から心がけていることがあります。それは、「自分の気持ちに対して正直に向き合うこと」です。

自分にウソをつくのは簡単です。他人に迷惑をかけることもありません。ただ、どれだけ小さなウソでも、後で大きくなって自分に跳ね返ってくると思います。人生を左右する、大きな決断を求められる場面であれば、なおさら。

私の場合も、妻や娘たちといった家族がいるため、フリーランスへの転身は難しい決断でした。それでもこの先、満足のいく人生を送るために、多少リスクを負うことがあっても自分の望む道へ進むことを決意しました。

この記事を通して、納得のいく人生を選択できる方が少しでも増えてくれたら、とても嬉しいです。

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