インサイドセールスと検索窓に打ち込むと、目に付く関連キーワードは「辛い」。働き方改革の文脈が相まって、世の中に広くインサイドセールスという言葉が浸透している今だからこそ迫る、その実情とは。
ネクスウェイがインサイドセールスを事業化したのは約4年前のこと。この数年で事業部の人数は増え、まさに成長途上と言えるだろう。2016年に中途で入社した岩本は、SDRと呼ばれる営業先へのコール担当として、常にトップの成績を残してきた。その成果が讃えられ、2018年度の下半期には全社表彰を受けた実績を持つ。そして今、SDRを束ねるリーダーとして奮闘している。
「実際にコールをすることは無くなりました。でもやっぱり、電話したいなあって思っちゃうんですよ(笑)ただ今はぐっと我慢して、メンバーに任せるということをしています」
自身がSDRだった経験を活かした細かなアドバイスが岩本の強みだ。日々メンバーのコールの録音を聞くことを欠かさず、時にはメンバーの傍で会話に耳を立てる。ふとした会話の内容を聞き逃さず、躓いたポイントを明確にし、打ち手を提示することを心掛けている。
「実際のコール内容を聞かないと、分からないことは多いです。だからこそ、日々意識して聞くようにしています」
岩本が入社した当初、事業としての立ち上げが間もなかったこともあり、決まりきった研修は無かった。しかしその後も続々と新たなSDRが入社してくる。その現状を受け、当時からヒアリング力に定評があった岩本は、自身もSDRとしてコールを続けながら、後輩たちの教育に従事した。
「後にSDR用の研修ができました。でも実際にコールをしている私からすると"もっとここを重点的に教えてくれたら…"という点がたくさんあったんです。また、自分がSDRリーダーになった後、事業部で対応する案件が増えることで、自分のメンバーが変わることが増えてきました。そうなると、より早く独り立ちをしてもらうことが必要だと考え、独自のカリキュラムを作りました」
それまでSDRとして、顧客との会話やヒアリングの質を担保できる一人前になるまでに、約1ヵ月を要していた。しかし岩本はオリジナルのカリキュラムを採用することで、約8日間でメンバーを一人前に育て上げることに成功する。
「実際のところ、アポイント獲得はリストの精度に左右される側面があります。そのため、個人の実力だけで判断するのは難しい。だからこそ、個人の実力すなわちヒアリングの質を強化するカリキュラムを組んだところ、一人前になるスピードが圧倒的に上がりました」
事業部への大きな貢献になったことは言うまでもないが、岩本の高い統率力を評価したのは社内に留まらなかった。長く付き合いのあるクライアントから提示されたのは、一般的に受注手前までを担うとされているインサイドセールスではあるが、コールで受注までできないか、という内容だった。
「正直難しいかも、とは感じました。目標の数値も高かったですし。上司には"できるって言ってできなかった時が1番困るんだよ"と言われました。それは重々承知の上でした。でも、できない前提で話をするのではなく、できるという思いで話をしたかった。実現するために何が必要なのかっていう会話の方が、心も前向きになるじゃないですか」
岩本の発言は、常にポジティブでブレがない。インサイドセールスという事業を誰よりも自分事化し、クライアントの課題に真っすぐ向き合っている。
「クライアントの目標達成をする、売り上げをもっと上げるということは、クリアして当たり前のことだと思っています。私が実現したいのは、そのもっと先です。クライアントに貢献すれば、クライアントのお客さんたちの売上が上がっていく。そうして良くなっていくと、業界全体が良くなっていく。それを信じて、私は自分の仕事をしています」
また、そんな姿勢を絶やさない理由は他にもあった。
「私がこれって難しいんだよとか絶対できないよ、なんて言って、モチベーションが上がるメンバーはいないと思っています。何より、私のモチベーションが下がると、メンバーのモチベーションも下がってしまう。だから、自分のモチベーションが下がることは絶対ダメだと思っています。
チャレンジ自体が難しいってことはもちろん伝えますが、でもできるっていう自信を持ってもらわないと。そして何より楽しんでやってもらいたい。だからメンバーとのコミュニケーションには、気を遣うようにしています」
岩本のその姿勢は確実にメンバーに伝播している。実際に入社間もないメンバーが、コールだけで受注を獲得することに成功した。その結果、クライアントの事業計画に「ネクスウェイのインサイドセールス」が組み込まれるまでになっている。
「クロージングまで電話でするとなると、難しく考えちゃいますよね。コールで提案までしなきゃいけない。提案ってプレゼンの場みたいなイメージがあって、つい難しいって思っちゃうじゃないですか。
でも、本当にお客様の課題やニーズを理解していたら、提案ってそんなに難しくないはずなんです。SDRの強みはヒアリング力。お客さんとのコミュニケーションの中で課題やニーズを掴めていれば、ほんの一言あればいいんだよって、メンバーには伝えています」
そんな岩本をメンバーは信頼し"オカン"と呼んでいる。まさに母親のようなきめ細かいコミュニケーションがそんなあだ名を付けたのだろう。また、クライアントは「岩本さんは私たち社員以上に、私たちの会社のことを考えてくれている」と語る。
岩本は、目先の結果は見ていない。もっと、もっと広い世界をインサイドセールスを通して見ている。だからこそ、常に高いモチベーションを発揮し続けることができており、何より、事業やメンバーを強く信頼していると感じたインタビューだった。(文・中川)
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