終わりと始まりのこの季節、ご自身のキャリアについて考えている方も多いのではないでしょうか。今回は「好き」を仕事にできるのか?という誰もが一度は考えたことがありそうなテーマに対し、ひとつの答えを見つけ出した出口さんへインタビューしました。
出口勇迅(でぐち たけとし):2016年11月入社。入社当初は働くママ向けの紙メディアを扱う部署へ。サービス撤退とともに、坂井・内田が所属しているダイレクトマーケティングを推進する部署で営業を担当。後に仮想通貨業者を中心にFinTech業界向けに、非対面での本人確認を実施できるサービスを扱う部署へ異動し、現在も営業として活躍中。
好きなことは迷いなく音楽と答えていた
何が好き?と聞かれれば、迷いなく「音楽」と答えるくらい、音楽が好きだった。
高校生でバンド活動にハマり、大学に進学した後は自分でイベントを企画していたりした。邦楽ロックをコピーして仲間と楽しくライブをしながら、海外のバンドも好きで、よく聞いたりしていたなあ。
1番最初に就職した会社はライブを企画したりしていた中で縁があった音楽系の会社だった。最初はインターンと言うかアルバイトで入社して、その後正社員になった。
「好き」をどこまで貫くか
正社員になってからは、大変だったこともたくさんあったよ。最初は色々なことを幅広く手伝っていて"アシスタント"という職ほど不条理で辛い職は無いなと思った(笑)
自社で発行していた音楽系のフリーマガジンの紙面構成を考えたり、プロジェクト全体の進行管理をしたりしてた。人が足りなければ自分も取材に行ったし、動画も作ったし、もう本当になんでも屋さん状態。
他にもライブを企画して、そうすると集客しなきゃいけないから土日に開催して、自分の休みは削られて…っていう生活をしてたのね。休みの日は死んだように寝てたし大変なことは多かったけど、
自分が好きな「音楽」に関わることだから続けられた。
きついけど、でも楽しいって言えるラインをギリギリ保ってた。でもね、ある時から休みの日に音楽を聞こうと思わなくなったのよ。だって休みじゃんって。その時かなあ、ふと思ったんだよね、
このままだと俺は純粋に音楽を楽しむことができなくなるって。
これが「好き」を仕事にする難しさなのかなって。もっと本当にこれが無いと生きられない、くらい音楽を好きか、別に音楽は好きじゃないけどビジネスとしてはうまくできるか。どちらかじゃないとこの先やっていけないと思った。そして俺は、どちらでも無いっていう結論に至った。
辞めることを決めてから、次の人にすべての仕事を引き継ぐには7ヶ月もかかったけど、「ああ、本当にこの人は音楽が好きなんだなあ。こんな人がこの仕事に向いているんだな」って心の底から思える人に出会えた。その人に言われたら今も仕事を手伝ったりするけど、こういう人がいるから、音楽業界は成り立っているんだなっていうのを本当に感じる。
区切りをつけるために、アメリカへ飛んだ
海外からバンドを呼んで、ライブを企画することがあって。何回か成功させた後、少し大きなアーティストを呼んで欲しいという話になった時、いつものようにFacebookでコンタクトを取ったら「話にならない、なめてんのか」って言われたことがあって。「お前の会社にはアメリカの音楽ビジネスを知っている人がいないだろ、だからもう連絡してくんな」って言われたの。
見ず知らずの俺のことを無視してもいいのに、「アメリカはこうだ」って教えてくれたその人が、すごく熱くて、いい人だと思ったんだよね。だから申し訳ない気持ちと、悔しい気持ちを込めて"すいません"って直接言いたくて会いに行った。
"あの時日本からメッセージを送った出口です、とても失礼なことをしたと思って、直接謝りたいと思って来た"と伝えたら「なんていいやつなんだ」って言われて。
「そんな真面目に音楽に向き合ってるのに、どうして仕事を辞めたのか」と聞かれて、"僕はアメリカのバンドが好きで、それを日本で仕事にしたかったけれど、自分には足りないものが多すぎるって分かったから、こっちのシーンを見て踏ん切りつけて日本で就職しようと思ったんだよね"って言ったのね。
「だったらアメリカの経験をしてからでも遅くないんじゃないか」って言ってくれて、それからその人についてアメリカのバンドツアーとかを手伝うようになったの。
その人にそのタイミングで会えたことで、
ちゃんと話せば熱意は伝わるんだなっていう経験にもなったし、挫折に向き合ってみて良かったなって思ったんだよね。
実際にやってみて、アメリカと日本の音楽シーンの違いを目の当たりにして、自分のこれからや覚悟を考えたときに、ひとつ区切りをつけることができたんだよ。あの時の経験は本当に感謝してる。
そして、日本で就職
自分にとっては本当に大きな経験で、あの時アメリカに行って良かったと心の底から思っているけれど、履歴書にしたときに「このブランクはなんですか?」と聞かれることが多かった。「この1年は甘えですよね」って言われたりもして、日本で就職するのは難しいのかなと思ったけど、ネクスウェイは
「面白いからもっと君の経験を聞かせて!」って前のめりになってくれた。
日本にもこんな会社あるんだなって(笑)そのまま今に至るけど、面接のときにそんな風に言ってくれたことに本当に感謝していて。この恩を結果という形にして返していかなきゃいけないと思っているから、今自分が持っているサービスでしっかり頑張ろうと思ってる。
自分が「好き」なことで働いたからこそ、俺は「好き」なものは「好き」なものとして、仕事にしないことを選んだけれど、今までの経験があるからそう思えているから、すごくスッキリしていて。だからこそどんな仕事でも頑張ります!
出口さんのお話、いかがでしたか?実際に行動に移された方のお話は、とても説得力がありました…!
ネクスウェイは、面接のときにこんなお話をされたらもっと聞きたい!となる人がほとんどです。ぜひご興味を持っていただけたら、一度お話しましょう!!(文・中川)