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WEB解析のスペシャリスト。独自ヒートマップ「RASIN」を巧みに扱い、メディアの売り上げを爆発的に伸ばしたテクニックとは。

こんにちは。株式会社ネクストレベルのWEBメディア事業部のマネージャーをしています、白崎 萌です。

私は、自社で運営している4つのメディアの編集長を兼任しています。

マッチングアプリ大学
縁結び大学
マリピタ
ミライのお仕事

上記のWEBメディアは、数億規模の売り上げまで成長し、年間で2000万以上のPVとなりました。9割以上がオーガニック検索での流入となり、SEOやLPOを得意としています。

▼アクセス数の推移、順調に伸びていきました。

今回は、オーガニック検索のみでここまで大きな規模のWEBメディアに成長させることができた秘密の一つである、アクセス解析の手法について、少しだけ語ろうと思います。

爆発的なグロースを実現できたのは自社開発のアクセス解析を活用してから

今回は自社で開発したヒートマップのRASINについてお話しするのですが、その前に少しだけ過去の話をさせてください。

RASINを導入する以前のWEBコンテンツ改善は「勘と経験を頼りにする改善」でした。知りたくても知ることができないデータが多く、おそらく・きっと・多分、と憶測ベースで改善を行ってきました。

そうした曖昧な環境での改善だったため、成果チェックすらも「おそらく伸びたね」と、推測ベースで行わざるを得ない状況でした。


これを実店舗のコンビニで例えると、売れ筋商品はハンバーグ弁当だと思って売上を上げる改善策を立てていた。でも実は、カスタードプリンが売上No1だった。のような状態が多くあったのです。今考えてみると、なんて無謀な手探りLPOだったんだろう、と笑ってしまいますね。

そんな環境の中で、社内にエンジニアチームが本格的に発足し、今まで取りたくても取れなかったユーザー行動をデータをきちんと見える化していくプロジェクトがスタートしました。

そうして生まれたのが、ヒートマップツールの「RASIN」です。


RASINで「ユーザーの脳みそ」が丸裸になった

ヒートマップツールを簡単に説明すると、ユーザー行動を可視化したものです。

実店舗のコンビニで例えると、来店したお客さんがどのような道順で商品を見ていき、どの商品を手に取り、最終的に購入に至った商品はなんなのか。こういった内容がデータとして見えるようなイメージです。

そもそも論ですが、WEBマーケティングでは消費者やお客さんを見ることができません。にもかかわらず、モノやサービスを売るのが仕事ですので、接客業や営業に近しいスキルが求められます。顔も姿も声もわからない、影のような実態の見えないお客さんに対してどう接客をしろというのでしょう?

ヒートマップはそうしたお客さんの影を一つの塊として、多数派のペルソナを生み出していくことができます。ユーザーの行動を見える化することで、その行動をもとに、ユーザーがどう感じ、何を考え、どう判断したか、それらを紐解くたくさんのヒントを得ることができるようになりました。


これは、ユーザーと会話や意思疎通ができなくても、ユーザーの脳内を少し覗き見できるような感覚に近いと考えています。

ユーザー脳内を理解していく思考プロセスを一部公開

概要の説明や前置きはここまでにし、具体的にどのようにしてユーザー脳内を覗き見して、私がどのように考え、新たなアイデアを産み出しているか、その思考プロセスを少しだけご紹介します。

今回題材にした記事は、「同棲 挨拶」というキーワードで上位表示をしている記事です。
https://jsbs2012.jp/date/dousei-aisatu

検索キーワードからユーザーニーズを推測すると、一緒に暮らそうと決めたカップルが、両親への挨拶へ行くことに関して、疑問や不安を解消したいと思って検索していると考えられます。

では、同棲の挨拶について、具体的には何を知りたくて検索をしているのでしょうか。

服装?手土産?話の切り出し方?怒られた時の対処法?

これらをヒートマップを活用し、考えていきます。

今回は、目次のクリック数から、ニーズの高い情報が何かを分析してみます。

いきなり問題です!

この中で、一番読みたいと思われている(クリックされている)項目がどれかを考えてみてください。

正解は

同棲前の挨拶の切り出し方の中
【体験談】まずは実家側の私(彼女)から切り出しました。

の部分でした。

以下が実際にクリックされた分布のデータです。①とついているところが、一番クリックされています。

※スマートフォンユーザーが多いため、データはスマートフォンのものをお見せします。

クリックが多いデータをもとに、求められている情報ニーズを言語化すると以下のようになります。

(1)挨拶の切り出し方の体験談を読みたい
(2)結婚前の同棲を反対された時にどうするべきか知りたい
(3)挨拶に行く前に準備すべきことを知りたい
(4)挨拶に行く際に適切な服装を知りたい

これを見て私は、具体的な知識や注意点よりも先に、自分の中でシミュレーションやイメージを固めるためのリアルな情報が求められているんだと考えました。

例えば、いきなり「明日バンジージャンプをしてきてください」と言われた際に、何を考えるでしょうか。

あ、ストップストップ!

今、自分がジャンプしていく姿を想像しませんでしたか?

想像した後に「怖そう」「安全なのか」「どのくらいの高さか」「自分から飛び降りるのか」など、疑問が生まれてませんでしたか?

ここで「服装は何着て行こう」「飛ぶ前にご飯は控えた方が良いかな?」「飛ぶ場所までは階段かな?」こんな細かいことを考える人はいないと思います。

そして、これを想像できたのはテレビなどでバンジージャンプの映像を見たことがあるからのはず。

つまり、今回のヒートマップの事例からわかるのは、まだ体験をしたことがない未知の事柄については、体験談や感想など、ざっくりとしたどんな感じかを知りたい人が多数派なのではと考えたのです。

逆に言えば、質問したいことがわからない漠然とした状態とも言えます。

であれば、初めに自分自身が想像ができるように、体験談を最初に持ってくることで、ユーザー満足度を高めることができるのでは?と1つのデータ分析から仮説と具体的な改善案まで出すことができます。

「もしかして、男性なのでは?」データ一つでユーザーの価値観や考えを深読みしていく

次に、2番目に多い同棲に反対された時の対処法についても考えてみます。これは「失敗したくない」という気持ちが強く現れていると初めは考えました。

ですが、目次の文言「結婚前に同棲するのは順番が違う!と言われたら」をじっくりと考えた時、これが失敗には繋がらないなと考え直しました。

であれば、「結婚を迫られたら困る」という気持ちが動き、クリックしたのでは?と感じたのです。

すぐに結婚は考えていないけど同棲はする。この価値観を察した時、少し若めの男性ユーザーが多いのではと感じました。

そこで、実際に男女比を見に行ってみると、ビンゴ!ユーザーの8割以上が男性かつ、34歳以下が85%でした。

これらの情報をもとに、ユーザー像を統合すると、「すぐには結婚は考えていない。だけれど大好きな彼女と一緒に暮らしたい。そのために初めて彼女の両親に挨拶に行くアラサーの男性」のイメージがが浮き彫りになってきました。

むしろ、”結婚を決めてから同棲をするべき”なんて発想は、その男性にはなかったのかもしれません。「えっ、そんな事言われたら自分は今すぐに彼女と結婚する勇気はない。」と感じた結果が、クリックという行動に現れているのではと分析しました。

結婚までは踏み切れないアラサー男性というペルソナを考えると、クリック最多であった「彼女の家に挨拶に行った体験談を知りたい」のニーズが強いことも腑に落ちました。

最終的な改善案として、「同棲するなら結婚に関しても恋人と事前に意識のすり合わせをしておくと良い」といったアドバイスにつながるコンテンツを追加しようと決めました。

一見シンプルな些細なデータ一つからここまで仮説が広がる面白さ

今回の事例では、興味がある話題をクリック数から見るというテーマから、同棲と結婚に対する価値観まで仮説が広がっていきました。

クリック数という一見シンプルなデータ一つから、ここまで深く色々なことを考えていくことができ、さらにそれらの考えがつながっていく。まるで謎解きや推理のような面白さがあります。

そして、これらの仮説をページに反映させて次のデータを見ることにより、自分の推理の答え合わせまでできるのも、ヒートマップの面白さの一つです。

ヒートマップの真価は、ユーザー思考の深掘りにある

ヒートマップは行動を見える化するものと思いがちです。クリックされている・されていない。読まれている・読まれていない、とデータから事実のみを見てしまいがちです。

ですが、ヒートマップが最も真価を発揮するのは、ペルソナの思考や価値観を深掘りしていくためのヒントを得られる部分にあります。

今回解説したように、ユーザーの脳内を理解していく作業を行うことで、表面的なABテストのような改善ではなく、もっと根本を改善するための情報を得ることができます。

ABテストで改善できるのは0.5%や1%の世界です。一方で根本の構成から練り直していくと5%や10%などの大改善につながっていくこともあります。

大きく成果を出すためには、見えない影のユーザーが求めていることの形作りを丁寧に行い、ユーザーの思考を見える化していく作業が必要不可欠だと考えています。

私たちはSEOやLPOではなく「キーワードマーケティング」をやっています

WEBメディアの改善はどうしても数値改善にとらわれてしまいがちです。クリック率をあげよう、離脱率を減らそう、精読率を高めよう、検索順を上げていこう。果たして、それはユーザー満足度とイコールになるのでしょうか。

私たちは、モノやサービスの良さを伝え、購入につなげたり、自社で作ったコンテンツの満足度を高めていくことに重きを置いており、一般的なSEOやLPOの次元とは少し違います。

こうした分析力や思考力、発想力というのはマーケティング全てに通じるものです。たとえ集客経路がSEOではなくSNSや広告に変わったとしても、商材が何に変わったとしても、コンテンツの形式が別のものに変わったとしても、考え方の基本は変わらないので、「デジタルマーケター」としてのスキルは確固たるものとなっていくと自負しています。

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プロジェクトマネージャー
3年後の事業責任者を目指す!メディアの企画・運営・編集&Webマーケ全般
ネクストレベルは2008年の創業以来、『全てのスタッフが仕事に楽しさを感じる会社であること』をミッションの一つとしてWEBメディア事業と自社SaaS開発事業を行っている会社です。 ▶WEBメディア事業  ●出会いから結婚をテーマに200万PV突破  ●『マッチングアプリ大学』 国内最大級マッチングアプリ特化メディア  ●『縁結び大学』 全国のお出かけスポットや移住情報掲載  ●『ミライのお仕事』 新しい働き方を紹介する転職メディア ▶自社SaaS開発事業 ●メディア運用ノウハウを活かしたWEBマーケティング支援  ●『PAOMA』PPCアフィリエイト専用のマーケティングシステム  ●『RASIN』三連ヒートマップ機能を持つ、フルアシストWEBマーケシステム  ●『Tenbase』Web広告トラッキングシステム ●長年のリモート運用を活かした仮想オフィスシステム  ●『Flender』リアルオフィスと同等のコミュニケーションを実現できる業務改善プラットフォーム その他にも多数のメディア・プロダクト・サービスを開発、運用
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お読みいただき、ありがとうございました。

★筆者プロフィール
株式会社ネクストレベル メディア事業部 白崎 萌
WEBメディア運営/SEO /LPO /コピーライティング/WEBライティング/アクセス解析を担当。

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