全国の福祉施設向けに、さまざまな経営課題を解決するべくSaaSプロダクトをはじめとする様々なサービスを提供しているLITALICO。今日は、2022年から新たにLITALICOへ参画した就労施設ソリューション部 部長 寒川に話を聞きました。
2003年3月大学卒業後、学生時代にアルバイトをしていた店でイタリアンの料理人として勤めた後、2004年から約18年間にわたって現在の株式会社リクルートにて人材領域のプロフェッショナルとして従事。名古屋や東京にて幅広い顧客向けの営業活動に従事したのち、人材メディア領域でのマネージャーや営業部長を歴任し、2021年には関連会社の代表取締役にも就任。2022年よりLITALICOに参画。
ー本日はよろしくお願いいたします!まずは、寒川さんの学生時代のことを教えてください。
(寒川)小学校から大学までは、ずっと剣道部でした。大学時代は夜中の3時までアルバイトをして、遠方に住んでいたので往復の電車内で睡眠をとって、部活の朝練で7時には学校に行く…なんて時期もありましたね。部活とバイト漬けの毎日はとても充実していました。
就活の際には経営コンサルや人事コンサルという軸で、当時のリクルートも受けていたのですが、新卒採用では落ちてしまって。ITバブルがはじけた翌年の就職氷河期だったこともあり就活が難航し、大卒後に当時のアルバイト先だったイタリアンレストランの料理人として、そのまま一旦就職することにしたんです。今でも家族や娘に料理をふるまうこともありますよ(笑)。
その後、第二新卒としてもう一度リクルートの中途採用を受けたら、アルバイトとして入社が決まり、その2年後に社員になりました。
ー学生時代から経営・人事コンサルティングにご興味があったのですね。
僕が中学生の時に、父親が会社からリストラされるかも…?という話が突然あがったんです。最終的には退職は免れたんですけど、当時は両親や僕を交えた緊急の家族会議になりました。
そこで「なんで会社は父をクビにする必要があるほど、悪い状態に陥ったんだろう?僕たちみたいに困ってしまう家族が生まれることを、どうにかして防げないだろうか?」と、子どもなりに漠然と思ったんです。そこから、企業の安定的な業績拡大に向けたお手伝いができる仕事に就いて、世の中の会社員やその家族をハッピーにしたいと思うようになりました。
ーご家族の原体験から人材採用のお仕事に就かれたんですね。リクルートではどんな仕事をされてきたのでしょうか?
入社当時はずっと営業です。中小から大手まで本当にたくさんのお客様を担当してきました。採用メディア、採用イベント、研修、適性検査など、商材も様々ですし、採用対象となる雇用形態もアルバイトから新卒、中途まで多岐に渡ります。
アルバイトスタッフが飲食店で業務中の写真をSNSにアップするような事件が社会問題になった時期がありましたよね。当時、自分が担当していた外食産業のお客様も採用の課題に頭を抱えていらっしゃいました。新規の応募もなく、入社後の育成にもすごく苦労しており、経営陣の方は「人がいないからお店が営業できない、採用できないから出店も進まない」と仰っていて。人材の課題はやはり結果的に経営課題に昇華されていくんだな…と改めてここでも感じましたね。
ー18年という長い期間在籍されたリクルートを、40代で離れようと思われたきっかけは何でしたか?
リクルートでのキャリアの後半は、短期の営業戦略立案や中長期的な事業戦略を描いて組織全体を動かしていくことに非常に面白味を感じていました。当時、不満は1ミリもなかったです(笑)。
でも、40歳を過ぎたころ、ふと将来のことをゆっくり考える時間ができたときに、自分の市場価値はもっと高められるんじゃないか?と考えたんです。このまま何不自由ない職場環境をキープして定年まで働き続けるのではなく、もう一度新しい環境に踏み出してチャレンジするのが自分らしいかなとも思いました。
貪欲に新しいことを学んで、成長が見込める環境に身を置きたいなと。具体的には、自分が新たに事業を創って、それを動かしていけるよりリアルな感触のある環境で頑張ってみたいと考えたんです。
ーそこから、同じ人材領域ではありつつも「福祉」という全く異なる業界にチャレンジすることになったんですね。決め手はなんだったのでしょうか?
人材系、SaaS系ベンチャー、医療・教育ベンチャーなど様々な企業の方のお話を聞きましたが、LITALICOが一番「この人達と働きたい!」と感じました。
最初の面談でいきなり敦弥さん(社長)とお話できたのですが、2時間くらい話して、凄く魅力的な方だなと。その後お会いした経営陣全員が、ピュアに「障害のない社会」を目指しているのだと考えているのだと分かりました。事業拡大とかお金稼ぎが目的ではなく、本気で社会を変えたい!という勢いを感じました。
また、僕は親族に障害のある方がいるのですが、社会の側にある障害や、病気や怪我などを含めた障害、どちらも将来的に誰しもが直面する可能性があるものだと思うんです。LITALICOが価値提供できることは、こういった社会の抱える課題の解消にもなっていくと考えていますし、この業界で最前線の事業に携われるワクワク感も相まって入社を決めました。
ちなみに、妻に最初相談したときには相当驚かれましたが、LITALICOの事業内容を伝えると「めっちゃいい会社じゃん…」と背中を押してくれました(笑)。
ー寒川さんが入社されてから数か月経ちましたね。社員や働く環境への印象はどうですか?
まず、現場での意思決定のスピードがすごく早いです。「この案件、しばらく寝かせます」なんて発言はほとんど聞きません。決定事項も、ビジョンの実現に対して必要なことか?という視点を重視しているんですよね。
例えば、社員の副業を許している会社は多いですが、競合他社での副業も許可しているなんてびっくりでした。僕も前職の関連会社の社長としての経験がありますが、通常ならリスクヘッジが先行してしまうと思うんですけど。「ビジョン実現の手段として必要ならば、スピーディな意思決定をして、何か起こったらその時々でしっかり対処していこう」。そんなLITALICOの会社としての姿勢に惹かれています。
ー現在、どのような分野での事業戦略を担当されているのでしょうか?
児童、障害福祉、介護の事業所様向けの「かんたん請求ソフト」というホリゾンタルSaaSプロダクト、障害福祉事業所様向けに利用者募集をお手伝いする「仕事ナビ」というバーティカルSaaSプロダクトに携わっています。前職ではこの福祉・介護領域のお客様に対して会社として価値提供がほとんどできていなかったので、正直悔しかった。LITALICOは、人材領域では後発ながらも市場価値や顧客価値がどんどん高まっていてすごいなと。
人材に関する課題解決と、請求業務の効率化。利用者募集、採用、定着に加え、シフト計算、工賃計算、など、事業所運営におけるお金回りの現場の業務を、どれだけラクにできるかが重要だと考えています。
こういった「経営課題の解決」という自分のテーマでもある事柄で、福祉業界全体における価値提供に向けて、事業戦略、営業戦略、人事戦略、そして組織戦略立案にまで幅広く携われていることはすごくやりがいがありますし、自分自身のさらなる成長を感じます。自分の1つ1つの意思決定が事業に大きなインパクトを与えるので、意思決定基準や軸がブレないように、という点はかなり意識しています。
ー入社前に求めていた、事業を自ら動かしていける環境で働けているのですね!寒川さんの今後のビジョンもぜひ教えてください。
もちろん、LITALICOビジョンである「障害のない社会をつくる」、ことが一番。そして担当事業はもちろんそうですが、短期・中期的には取引事業所数を2倍、3倍にして、世の中の障害福祉における事業所様の多くがLITALICOのサービスをご利用いただいている世界観が理想です。市区町村での施設開設の際にはまずはLITALICOに相談していただくなど、行政や自治体とも連携した仕組みができれば、より多くのお客様に価値提供できるかも、なんて構想もあります。
さらに長期的には、障害福祉業界自体が、誰もが「働きたい」と思えるような人気業界となって、その結果現場のスタッフや業界に関わる方すべてがイキイキ、ワクワクしている社会にしていきたいです。
ー最後に、ビジョン実現のためにどんな仲間に参画してほしいか、メッセージをお願いします。
社名の元となっている利他・利己という言葉がありますが、働くときに自分が主語ばかりにならず、お客様やマーケットを主語にものごとを考えられる方と一緒に事業を推進していきたいです。
僕たちが目指すのはあくまでビジョンの実現であって、自分の評価や、会社の利益のためではないからです。今のチームメンバーと仕事をしていて驚いたのが、売上あげたらいいでしょ…という視座の営業担当は一人もいないこと。事業所様の売上アップや業務改善、利用者さんの募集といった課題解決はあくまで「How」でしかなく、「本当は何に困っていて、将来的にどうしたいのか?」というお客様の本質的な課題と向き合って仕事しているんですよね。
皆が「問題着眼」ではなく「兆し着眼」で物事を捉えているのが素敵で、本当に居心地が良いです。単にサービスを売るだけではなく、施設の経営課題の解決にまで深く関われる面白さを感じられる方は、きっと気持ちよく仕事ができる環境だと思います。
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