人口減少・高齢化など地方の衰退が叫ばれていますが、地方はグローバル企業の好業績や人口が集中する一部の大都市の好景気の波及に期待するような他力本願ではなく、その地域内での
「自律的経済循環」が求められています。
古来、どんな国や地域においても、地産地消の潤滑油であった「地域通貨」を、自律的な経済循環を担うひとつのツールとして、改めて今見直すことも意味があるのではないでしょうか。
「地域通貨」は、地域の経済とコミュニティの活性化を実現するツールです。地域通貨は、どこでも使えて貯めこむこともできる「便利すぎる円」を、あえて3つの限定「地域・期間・目的」することで、その限定地域の消費喚起を促す仕組みです。
限定地域の活性化には、何も限定できない「円」は便利すぎるのではないかというのが私たちの考えです。
また、「いいことして貯めていいことに使う」という地域通貨は子供でも高齢者でも誰でも貯めて使えます。この「温かいお金」とも呼ばれる地域通貨は、失われつつある「コミュニティの活性化」にも貢献するものです。
本書は成功紹介本でもノウハウ本でもありません。まだ、仮説に近い内容ですが、地域の活性化に日々真剣に取り組んでいらっしゃる方々にとって、少しでもヒントや参考になればという想いと、幻冬舎のご担当者様に背中を押して頂きまして、拙著を発刊させて頂く運びとなりました。
皆様の少しでも参考になることを祈念しております。
納村哲二