展示会のプランニング・コミュニケーションデザイン・マーケティング、3方向からのトータルプロデュースを得意とするBEAKS。デジタルコンテンツやグラフィック、ノベルティなどあらゆるクリエイティブを駆使し、クライアントの本質的な課題解決を実現してきました。
2019年までほぼ右肩上がりで増加し続けていた展示会イベント市場ですが、2020年の新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)流行の影響により、開催自粛を余儀なくされることに。市場規模は大幅に減少した一方、ビジネスにおけるデジタル化が急速に進展しました。
そんな中、当社が新たに立ち上げたのはオンライン展示会のトータルサービス。20年以上オフライン展示会プロデュースで積み重ねてきた実績を武器にオンライン市場へも参入し、コロナ禍においてもその成長スピードを緩めることはありませんでした。
もはや単なる空間デザインという枠にカテゴライズできないほど、アグレッシブにフィールドを拡げ続けるその背景には「やりたいことを妥協しない」という当社代表・明石の揺るぎない姿勢があります。
実はまったくの未経験から空間デザインの業界へ飛び込み、今なお第一線でスタッフを牽引する存在である明石。
今後の未来についてどんなビジョンを描いているのか?その考えを紐解くため、経歴や当社を立ち上げた背景、そしてBEAKSの理念を記したクレドに込めた想い…。これから目指す展望について、BEAKS広報担当が明石に直接インタビューを行いました。
明石 港司(あかし・こうじ)
大阪生まれ。高校卒業後、ディスプレイデザイン会社に入社。幅広いジャンルの企画・プランニング・デザインなどトータルに携わる。2003年1月、大阪に株式会社BEAKSを設立。2008年には東京事務所(BEAKS TOKYO)を立ち上げる。多種多様な業界の展示会トータルプロデュースやショールーム内装を中心に実績を重ね、国内に留まらず海外展示会サポートやオンライン展示会事業も展開。
営業もデザインもプレゼンも1人で完結。経験ゼロから会社を牽引するトップクリエイターへ。
ーー未経験でこの業界に飛び込んだ代表ですが、あらためてBEAKS設立の経緯を詳しく聞かせてください。
実家が八百屋をやっていたのでそのまま働くつもりでしたが、急遽兄が行くことになって。高校卒業後文具業界に入り、たまたま求人雑誌で見つけたディスプレイのデザインや施工を手がける会社に入社しました。
入社後は営業企画室に配属となり、営業担当になりました。エンドユーザーや代理店経由の仕事をこなしていく中、だんだんと仕事を取ってくるだけでは物足りなくなってきて…。
自分でもっとこうしたい・ああしたいという欲が強くなり、空間デザインを独学で勉強し始めました。
気づけばプロジェクト全体を自分で動かすようになっていましたね。
私はデザインの学校で学んだわけではないので、完全にゼロからのスタート。現在はCADを使って図面を描きますが、当時は製図版を使い手で描いていた時代です。Macはおろかインターネットすらなかったので、取引先に資料をもらったり本を読んだり…。とにかくありとあらゆる手段で勉強しました。
当時の会社で18年ほど勤務し、39歳の時に独立。当時後輩だった北山(現:BEAKS専務取締役)と共に現在のBEAKSを立ち上げました。
ーー最初から独立を視野に入れていたのでしょうか?
具体的にいつ頃…とは考えていなかったけれど、漠然といつかは独立するだろうと思っていました。
単純に仕事が好きだったし、どうせやるなら会社のやり方や枠に縛られず、もっといい仕事をしたいという気持ちが強かった。自分の仕事にも自信があったので。
勤務していた会社は家族経営で後継者もいたため、引きどころも感じていました。さらに私のスタイルを学んできた北山やデザイナーも独立するならついていきたいと言ってくれ、すべての点が線に繋がったんです。
BEAKS立ち上げ当初は飛び込みやテレアポで仕事を取っていました。でもだんだんとクライアントから指名で受注をいただけるようになり、ほぼ新規営業なしという今のスタイルが出来上がりました。
クライアントから絶大な信頼を寄せられる、その秘密は圧倒的な「読解力」×「スピード」。
ーー仕事に対する自信の源や、クライアントから支持される理由はどこだと考えますか?
ポイントは「読解力」「スピード」ですね。
そのベースには営業的なことから企画デザイン、現場管理まで一貫して行なっているので、網羅的に要点を理解し、最短のコミュニケーションでプロジェクトを進行できるということにあります。もちろんそれは、決して一人だけの力ではありませんが。
読解力とは、言い換えればクライアントが何を求めているのか・何が一番重要なポイントなのかを汲み取れる力です。
私たちがやっているのは芸術ではなく商業デザイン。PRする商品、クライアントの要望や予算などがあったうえで、どれだけ優れたプランニングができるかがミッションです。やりたいことだけをやるのは芸術家の仕事。そのバランスが取れないと生き残るのは難しいんじゃないかな。
もうひとつは仕上げるスピードが速いということ。
スピードが速いと何度もブラッシュアップする時間ができるから、よりいいものができるということなんです。結果的に、ローコストでハイパフォーマンス。
クライアントにもうできたんですか⁉️と驚かれることもよくありますよね。逆にまだ確認する準備ができていないから、ちょっと待ってほしいとも(笑)。
ーー入社当時、そのスピード感についていくのに必死でした(笑)。おかげでスタッフ全員、ずいぶん鍛えられました。
スピードが速いメリットはもう一つあって、クライアントの「2週間後、急に〇〇が必要になったから助けてほしい」といったヘルプの声にも応えられる。競合他社が脱落していく中でチャンスを掴むことに繋がりますよね。
しかしそれは読解力があるからこそ成立することでもあります。急な依頼の場合、最も重要なポイントだけ読み取ることができれば、そこに焦点を当ててプランニングを進めていけばOK。場合によってはプランの大枠がわかりさえすれば完璧なものでなくて良いというケースもありますしね。
最初からできないと決めつけず、どうすればクライアントの要望に応えられるか常に考えれば光明は必ず見えてきます。
最高のクリエイティブは、最高のチームから生まれる。BEAKSのクレドに込められた想いとは。
ーー当社のクレドにはスタッフの行動指針のほか、クライアントや協力会社様への想いも綴られていますよね。最初見た時はちょっとした衝撃を受けました。
会社の在り方、目指すべき姿とはどういうものか?それを可視化して共有できるものを作りたかった、というのが当社のクレドの始まり。
カタチのないものをカタチにする。それが我々のようなクリエイティブの仕事、役割でもありますよね。
そして社外に対しても、我々のビジネスモデルやどんな想いで仕事に取り組んでいるか理解・共感していただきたい気持ちも強かったです。だからこそ、クレドはクライアントや協力会社様にもお渡ししているんです。
■クレド(Credo)とは?
企業全体の従業員が心がける信条や行動指針。ラテン語で「志・約束・信条」を表す言葉。
1943年にアメリカの大手医療メーカー、ジョンソン・エンド・ジョンソンの3代目社長ロバート・ウッド・ジョンソンによって初めて考案されたとされる。
◆BEAKSの企業精神/基本理念
「しあわせのたねまき」
家族、友達、恋人、スタッフ、クライアント、ブレーン、
知り合う人々や社会に、しあわせのたねをまこう。
あらゆることを心から大切にし、感謝し、感動を共有しよう。
しあわせのたねにカタチはありません。
でも、だからこそどんなカタチにだってできます。
それが我々が生み出すクリエイティブなのです。
本質を見極め、わくを飛び越えひたすらに突き進もう。
そこにしあわせの花が咲くことを信じて。
◆スタッフ行動指針「しあわせのたねまき 14のレシピ」
・元気な挨拶ができる人
・相手の気持ちを想像できる人
・感謝やお詫びの気持ちを素直に伝えられる人
・すべての人に「驚き・感動・元気」を与えられる人
・他人や環境のせいにしない人
・好奇心とチャレンジ精神のある人
・人の話に耳を傾け、柔軟な思考で聞き入れることができる人
・変化をチャンスととらえ、楽しめる人
・すべての仕事やスタッフのことを自分のモノと考え積極的に関わっていける人
・世の中の動きを見て、問題意識を持てる人
・「できない」理由を探さず、「できる」イメージを持てる人
・既存のイメージにとらわれず、常に新しい発想のできる人
・ものごとの本質をとらえ、スピーディーに対応できる人
・作業人ではなく仕事人
これはとある施工現場でのこと。一生懸命作業している職人さんそっちのけでお菓子を食べ談笑している他社のプロデューサーを見かけたことがありますが、私はありえないと思う。職人さんたちの協力がなければ、私たちでは釘一本だって打てないわけですから。
私たちの仕事はたくさんの方々の力を借りて成り立っているからこそ、敬意を払うべき。呼び方も「下請け業社」などとは絶対に言いません。
私たちの姿勢を感じてもらうことでチームでひとつのものを作り上げるという意識が高まり、より最高のクリエイティブが生み出せます。
時には納期や金額面で無理をお願いすることもありますが、いつでも尊敬の気持ちを持って接するようにしようと。スタッフにもそれを十分理解した上で仕事してほしいんです。
私たちから発注している以上、どうしてもお金の流れは「縦」になってしまいますが、つながりは「横」を大切にしたい。
だからこそクレドの最後にも「忘れてはいけないこと」としてしっかり書き記したんです。
◆忘れてはいけないこと
我々の仕事はたくさんの方々の協力を得て成り立ちます。
そのブレーンの皆様は下請け業者ではなく、協力会社様です。
尊敬と優しさ、愛情と厳しさを併せ持ち接するようにしましょう。
我々BEAKS STAFFが全力で取り組み、
その姿勢を感じてもらうことで
「チーム」としての最高のパフォーマンスが提供できます。
クライアント、ブレーン、そしてBEAKS。
関わるすべての人たちに、しあわせの花が咲きますように。
今もこれからも、常に学んでアップデートし続けることこそが、BEAKSの新時代を創る。
ーー当社は今年で創立20年を迎えましたが、今後の展望を聞かせてください。
これまでは私や北山が中心となりフルスロットルで突き進んできましたが、新しい世代がどんどん成長する会社にしていきたいですし、実際成長していると感じています。
今は次から次へと新しいものが生まれてきて、変化が目まぐるしい時代。時流に遅れを取らないよう、奢ることなく常に学ぶ姿勢が何より大切なんです。
日頃からスタッフにも伝えている「会社である前に学舎(まなびや)であれ」という信念に沿って、私もまだまだ勉強し続けている最中ですよ。
今までやってきたことはきっちりやる。しかし恐れることなく、新しい事業にもどんどん挑戦していってもらいたいですし、クライアントからの「期待に応えるのではなく、期待を超えていって欲しい」ですね。
ーーそのひとつが2020年のコロナ禍で立ち上げた、オンライン展示会のサービスでしたね。
私たちの主戦場である展示会プロデュースには絶対的な自信があったので、これをオンラインにも展開できるぞと。この事業はスタッフ自ら率先して勉強し知識をつけ、立ち上げてくれましたよね。
【BEAKSのオンライン展示会サポート】
https://beaks-online.com/
最近はイベント規制も少しずつ緩和されつつありますが、オンライン・オフライン展示会双方の強みを生かして並行して開催する「ハイブリッド展示会」にも注目が集まっています。
展示会プロデュースで圧倒的なノウハウを持つ私たちが、オンライン市場にも参入したことでさらにビジネスチャンスが広がりました。
クライアントや業界が求めているものを読み取り、これまで培ったノウハウをどうやって新しいビジネスと結びつけるか?
それを楽しんで、ワクワクしながら取り組んでほしいですね。