brossomの代表の宇野です。今回は「なぜ起業したのか?brossomという会社はどうやってできたのか?」についてお話しできればと思っています。
結構な長文になっているのですが、自分の過去から赤裸々にお話しすることが一番自分という人間や弊社の設立の流れを分かって頂けるのではと思い、自分が小さいころからのお話を書かせて貰っています。
◼起業家を選んだ理由
包み隠さずお話しすると、僕の父親は起業家で、今では上場企業の代表をしてます。小さい頃は家にはほぼおらず、話した記憶もあまりありません。まれにお酒を飲んで酔っ払ったときにたまに会話するくらいでした。
そんな状況だったので、自分は小さい頃は、ビジネスの世界よりかは獣医やパイロットなど専門職を夢としていました。しかし実際はそんな夢は目指すことは全くなく、高校の時に入った軽音楽部がきっかけでギターやバンドにどっぷりハマる生活を送ります(あとアニメも笑)。
高校時代は受験もなかったので音楽漬けで、バンドでコピーも沢山しましたし、個人でオリジナル曲も作りました。初音ミクの曲や、当時ニコニコ動画で流行っていた東方のアレンジの曲なども作って、投稿したりサークルでCD売ってたりしていました。
大学に入学してもバンドサークルに入り音楽ばかりやっていました。将来について何も考えもせず、ただただ楽しいことだけして過ごす日々でした。そんな状況を見かねたかは分からないのですが、ある日父親に「将来どうするんだ?」と説教をされました。
そのときは(馬鹿だったので)音楽で食べていくとかを考えてたのですが、いざそういう話しになると自信をもって言えず、黙ってしまいます。結局父親も特に何かをアドバイスするわけでなく、なんと無くその会話は終わったのですが、自分の中ですごいもやもやが残ってました。
悔しさから今までずっとやっていたギターに触る気も起きず。ただ、ギターしかやってなかったので他にやることもなく、とても暇になりました。当時は本など全然読んでいなかったのですが、暇すぎたのでたまたま家にあった本に手を取ります。
それがサイバーエージェント藤田社長の「渋谷で働く社長の告白」でした。
この本との出会いが、自分の人生を大きく変えたと思います。
ただの1人の青年がビジネスという世界で成し上っていく、そのアメリカンドリームのような物語が強烈に面白く、いつか自分もその領域で挑戦したいと思うようになりました。仲間を集め、曲を作り、そして売れるために頑張る、というバンドの成り上がりとどこか似たような面白さを感じていたのだろうと思います。
家にあった色んなビジネス本も一通り読み漁り、「自分も起業するんだ」という想いを本格的に持ち始めます。
◼最初の挫折と就職
まずはビジネスの経験からだと思い、インターンシップの募集に参加し、そして人材系のベンチャー会社で働くことになります。テレアポで人材採用メディアの掲載を獲得するという営業が主な業務内容で、正直きつかったのですが荒波に飲まれながら基礎を付けていきました。
インターンが何ヶ月か経過した後、基本的な部分は学べたなと思ったのとやはり我慢できない性格なので、いても経ってもいられず、ついに学生起業をします。
このときはライブ配信がくるだろうと思い、ミュージシャンに特化したshowroomを作ろうとしてました。コーヒーミーティングなどのサービスを駆使したりリファラル経由で、とにかくエンジニアに会いまくり、なんとか若くて優秀なメンバーも揃えることができました。
しかし結果としては、チームは分裂し、そこで自分も意思が折れて解散することになりました。
自分がwebサービスというものの理解が浅かったのと、何より自分の軸がぶれてしまったことが原因です。プロダクトづくりを進めるディレクション能力もないし、自分が作りたいものというのが外部の人の意見や感想に流されコロコロ方向性が変わってしまい、それに着いていけなくなったメンバーが1人づつ辞めていき最後は僕だけになりました。
そこで再起する経営者は沢山いると思うのですが、自分は挫けてしまいます。
ただ「このままでは意味がない、どうせなら出来なかったことを学べる会社がいい」と思いサイバーエージェントに入社します。
サイバーでは内定者からバイトで働ける制度があったため、単位も取り終わっていたこともあり、週5出勤という社員と変わらない働き方をしていました。今のCOOの石川とも、その内定者バイトの時に出会います。
内定者バイトでは異動がいくつかあり、巡った1つに新卒社長が子会社をやっている会社がありました。沢山働いて、沢山みんなでわいわいする、という正に文化祭のような会社で、凄くカルチャーが好きでした。それに感化され、学生の頃結局諦めてしまった会社立ち上げに、再び挑戦してみたくなりました。そこで藤田社長にDMをし、新規事業を当て、自分も新卒社長になることとなります。
◼サイバー時代、そして一念発起
内定者の時から働いてたこともあり同期エンジニアの知り合いが多く、新卒4人で子会社を立ち上げます。(新卒だけの子会社が話題になり、ブログが炎上し、なんと普段見ている2chまとめに自分がのりました笑。自分の名前を検索すると今でもそれが出てきます)
結論からいうとこちらも駄目で解散になります。色々な理由はあったのですが、一番は自分の力不足でした。
解散した時にちょうどAbemaTVが立ち上げ時期で、自分はオリジナル番組を制作する部署に配属になりました。Abemaはサイバーとテレ朝の合弁会社なので、テレ朝の人と一緒に働くことになります。自分はティーン系の番組の担当になり、テレ朝の人たちと共に読モやYouTuberのタレントさんの番組を作っていました。ちなみに、この部署で出会ったのが今の僕の奥さんです。
1年くらい経ったときに、ITとは違う映像制作の現場は凄く楽しいが、このまま進むと自分は映像制作の道を進むことになるのでは?という危機感を持ち始めました。
ちょうどその頃「ライブコマースというのが中国で流行してるから日本でもやろう」という流れがあり、続々とライブコマーススタートアップが出てきてました。サイバーでもやろうかという意見が出て、子会社設立の話が上がっていました。自分は映像制作の知識があるのと、上記のような感じだったので異動を志願し、その子会社の役員に抜擢されます。
子会社ではAbemaTVでの通販番組をつくって、商品を販売したり、インフルエンサーとタイアップして商品を作りました。
仕事自体は楽しかったのですが、半年後に大きな転機を迎えます。
結婚を決めてから久しぶりに父親と飲む機会がありました。そのときに言われたのが、「お前はまだ若い。選択肢を沢山もっているんだ。それは今の会社で働くことだけじゃないぞ」という言葉です。
その瞬間ハッとしました。サイバーはいい人や仕事に恵まれていて、凄くいい会社です。正直ここでずっと頑張ろうと思っていました。でも、その言葉が自分に強烈に刺さり、徐々に考えを変え始めます。
すでに結婚をしていたので、そのことを妻に話しました。そうしたら妻が「好きなことをしたほうがいいよ」と背中を押してくれ、そして再び起業を決意します。
◼︎brossom創業と設立理由
何をしようかと考えていたときに、ちょうど久しぶりに会った先輩が「宇野くん、おれ今月で辞めるんだ」と言ってきました。話を聞くと、副業してた会社が凄く良くて、転職を決意したのだと。
その先輩が楽しそうに語る姿が自分の中で強く響きました。こんな新しい働き方や転職の仕方があるのだと。この体験から副業マッチングのサービスを思いつきます。
サービスを決めてからはまずはエンジニアを探しました。そこで、知り合いの起業家の先輩からおすすめの子がいると紹介されたのが、CTOの渡邊です。恵比寿のカフェで初めて会い、やりたいサービスの話をするとすぐに意気投合し、一緒にやることが決まりました。
その後、それぞれ優秀な連れてきたいやつを連れてこようとなり、僕は同期で仲が良く、いつか一緒にやりたいと思っていた石川を連れてきました。石川は僕と違いロジカルに物事を考えられるタイプで、COOなら石川がいいとずっと思っていたのです。当時は新規のサービスを任されていたので、拒否されましたが、やりたいサービスの話や作りたい会社の未来を語っていくうちに、見事口説くことが出来ました。
VPの乾は渡邊の前職の後輩でした。会って話してみて、実際自分も起業した経験があったりとタフな一面も判明し是非と声をかけました。乾自身が当時副業サービスに興味を持っていたこともあり、乾も参加を決めてくれます。
こうして創業メンバー4人が集まり、brossomという会社が出来上がりました。
流れで説明させて頂いたので「brossomという会社は、単に起業したいだけで作った会社なのか?」と思われるかもしれません。
これは全く違います。
会社を作る前に4人で話していたのは、今の日本には「挑戦を楽しんでいる若者が少ない」ということです。
皆4~5年会社で働いてきて、良い給料を貰い、そこそこ安定したポジションで充実した仕事を送っていました。しかし「貴重な20代をこのまま過ごして終わらせて、果たしてそれで良いのだろうか?」
そんな違和感を全員どこか抱きつつも、うやむやにして押し殺していました。
気づけば学生の頃に抱いてた夢や想いはどこかに忘れさっていたのです。
スタートアップというのはリスクが付き物です。しかし僕らのような20後半の若者たちが奮起し、今までの安定を捨て冒険していくことで、もっと挑戦する若い人たちを増やしたいと思っています。
別に誰しもが挑戦する必要はありません。ただ、やりたいものがあるけどいまだ勇気が出せない人や環境を変えることに怖がっている人などが、「こんな人たちがいるんだから、自分もできるかもしれない」と思って欲しいのです。
だからこそ、僕たちが頑張り、僕たちが影響を与えられるくらいの存在感を得て、そしてそれが波及していくことこそがbrossomの存在意義だと思っています。
ここまでの長文を読んでくださりありがとうございます。
少しでも興味を持って頂けましたら、採用など関係なくとも、ぜひお気軽にメッセージ頂けますと嬉しいです。
宇野 想一郎