大阪の地方紙、大阪日日新聞さんに取材頂いた記事が掲載されました。
自殺防止サイト立ち上げ 臨床心理士の助言も 2014年9月14日
http://www.nnn.co.jp/dainichi/news/140914/20140914029.html
10日から17日まで自殺予防週間が展開されている。国内の自殺者は4年連続で減少しているが、自殺対策白書によると2013年度も2万7283人が自ら命を絶っており、依然として悲劇は続いている。自殺を“撲滅”したい-。そんな強い思いで、大阪出身の起業家、丸田勝也さん(30)がインターネットで悩み相談ができるサイト「ココオル」を立ち上げた。書き込みに対し、臨床心理士のコメントが付く。ネットを活用した若年層の自殺防止対策が期待される。
■みんなここに
「悩む人も、わかってくれる人もみんな“ここにおる”で」。出身地の大阪弁にちなんで名付けた同サイト。最大の特長は、臨床心理士から無料でコメントや助言がもらえる点だ。
「ツイッターや大型掲示板に書き込んでいるだけでは生産性がなく、傷のなめ合いになりがち。同じような気軽さで書き込める上、自立支援や社会復帰につなげられるならもっといい」と強調する。
■頑張るつらさ
進学に否定的な環境で育った丸田さん。「一生このレベルのままではだめだ」と一念発起し猛勉強の末、同志社大へ進んだ。恵まれた環境で育った仲間と進学先で出会い「上をねたむわけでも、下を見下すわけでもなく、世の中にはいろんな事情や環境の人がいると知った」ことが大きな転機となった。
「自分は何とか頑張れたが、誰も助けてくれなかったし、一人で頑張ることのつらさがわかる。自分もちょっと違えば、悩みを相談する側だった」。卒業後、ネット上のコミュニティーパトロールを行う「ガイアックス」に入社。コミュニティーサイト運営やITのノウハウを身に付けた。
「同じような子をつくりたくない」と、うつ診断サイトを運営し、悩み相談に応じてきた。独立し「株式会社ここおる」(東京都品川区)を設立。今年8月、「ココオル」を本格稼働させた。
■既存施策と連携
悩み投稿だけでなく、サイトに寄せられた悩みを検索できるのも特長。同じ境遇の仲間や、それに対する心理士の助言も検索できる。「一人じゃないということをまず知って」
とはいえ「うちに解決のノウハウがあるわけではない」と丸田さん。「既存の支援団体や行政のサービスを否定するつもりは全くない。ココオルはあくまで入り口。そこから、悩みを投稿してくれた人の居住地や環境にあわせ、地元行政の窓口や支援活動団体を紹介し、道筋をつけるのが重要」と力を込める。
「ネットコミュニティーを手掛けるプロとして、機械的に行政などに振り分けるのでなく、愛のあるサービスを展開できたら」と展望を語る。