シンガポールは人口のほとんどが華僑(中国にルーツを持つ移民)の国であるため、古代中国発祥の風水とは密接な関係にあります。シンガポールの建築物は、ほとんど風水を意識して造られており、「風水」の名の通り風や水の通り道を意識したユニークな形や空間の取り方が特徴的です。
その中でも、今回は「水」の役割をピックアップして紹介します。
まず、水は風水において富の象徴です。風水の「五行」と呼ばれる基本の五元素の中で、水と金は相生関係。水は金を生み出す。とされています。
更に、シンガポールで水が重視される理由がもう一つ。東南アジアに属するシンガポールは、雨が多く、水には困らないイメージがありますが、実際は違います。
シンガポールは小さな島国です。平坦な地形で雨水をためておく山が存在せず、したがって大きな川もありません。自然の力が水を貯めてくれないため、人間の力で水を確保する必要があります。具体的には、マレーシアからの輸入、貯水池の整備、下水の再利用(ニューウォーター)、海水の淡水化などです。
また近年の経済成長や観光客の増加により、さらに拍車がかかっている現状です。このような慢性的な水不足に、シンガポール政府はいつも頭を悩ませています。
そんな理由から、シンガポールの建造物には水が関係する装飾が多数あります。
かの有名なマーライオンは水を吐き出し続けていますし、
マリーナ・ベイサンズは屋上プールのほかに
モール内にまで水が流れ、船で上を移動することまでできます。
今回私たちが降り立ったチャンギ空港にも、ジュエルの中にある大きな滝がシンボルとなっています。
風水的に、流れる水は良い気を運ぶとされているので、ただの水たまりではなく、流れている、というところに多くの意味を感じます。他にも、シンガポールには水をテーマにしたものがたくさんあるはずです。
観光の際には、水と、他の風水的要素にも注目してるのもおもしろいかもしれません。
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