なにをやっているのか
打ち合わせはいつも言いたいことを言い合っています。
直接顔を合わせて意見をいうことを大事にしています。
私たちツナグコトは、愛知県の留学生の日本での就職をサポートする一般社団法人です。
ツナグコトは、日本の労働力の維持・増加のための中継基地になることを目指し、 2017 年 9 月に設立されました。 日本の労働人口は、国内の人口の減少に伴い、今後も減少していくことは目に見えています。私たちがメインで関わっている中小企業において、採用の問題はより顕著です。
一方、日本での就職を希望する留学生の就職率は50%程度 (愛知県内の留学生の就職率 ※弊社調べ)しかありません。
片方では中小企業が採用に困り、もう片方では留学生が就職できず困る。そんな矛盾が発生しているのです。
そこで、私たちは活動の一歩目として、中小企業と留学生を結び、日本での就職をサポートすることを始めました。留学生は年々増加し、国の計画では 2020 年に 30 万人への増加を目指しています。つまり、留学生の受け入れ態勢やそれをサポートする周囲の環境整備がますます重要となっているのです。
日本人の学生と比較して、留学生の就職率が低い値となっている理由は、採用する日 本企業側の問題などもありますが、留学生の「日本語能力」が大きいと考えています。
私たちが定義する「日本語能力」とは、単純な会話や読み書きではなく、日本人の「言わなくてもわかる」「暗黙の了解」など、授業では教わらない日本人特有の文化や慣習です。
例えば、日本での就職活動は大学の在学中に行われますが留学生はその習慣さえ知らない場合が多いのです。 また、留学生の多くが、来日後大学の寮に入るものの、半年~1年で寮を出なくてはならず、寮を出た後は孤独な一人暮らしをしていることが、留学生へのリサーチから明らかになりました。
留学生に「日本語能力」を身に付けてもらい、さらに孤独感も取り除ける最も良い手段 が【シェアハウス】だと考えました。
そこで、2017 年 10 月留学生と日本人学生が共同で生活するシェアハウス運営を名古屋のいりなかでスタートしました。
ツナグコトでは留学生の就活に役立つイベント『ガクショク』や『シャショク』を開催しています。
『ガクショク』は夢のある学生が自らの夢を語るイベントです。ガクショクは二部構成になっており、第二部ではグループディスカッションを行います。
『シャショク』は私たちが運営するシェアハウスに、業界で活躍する社会人を招き、就職で役にたつ情報を講演してもらうというものです。
シェアハウス HP(http://tunagu.or.jp/)
なぜやるのか
中小企業の人材の問題。そして、留学生の就労の問題は、代表理事鈴木の実体験から見えてきたものです。
代表理事 鈴木雅登
鈴木「私は、ツナグコトの理事の他に、経営コンサルタントととして中小企業の支援 にも取り組んでいます。
そこで見えてきたのが中小企業の採用競争力の問題です。地場の企業には、ニッチな分野でトップクラスのシェアをもつ優良企業がいくつも存在します。しかし知名度 が低いこともあり、日本人学生の採用はあまりうまくいっていません。この問題をなんとか解決したいと考えていたときに見えてきたのが、留学生が抱える就職の問題 です。
コンサルの会社ではインターンの学生を複数受け入れていました。そこにいた留学生と話す中で、就職の問題を抱えていることを知ったのです。
『中小企業の人材の問題と、留学生の就職の問題を掛け合わせることで両方が一気に解決できる!』それがこの事業に行き着いたきっかけです」
もしかしたら、ここで疑問が生じるかもしれません。
『両方の問題が解決し、メリットしかないのであればなぜ誰もやらないのか?』この答えは、両者をつなぐには間にハブとなる組織が必要となりますが、その組織にあ まり利益が出ないことです。 そこで、この問題解決に熱い想いをもつ私たちツナグコトが、一般社団法人として企 業からの寄付や学生の力を借りながら実現していく必要があると考えました。
【メインで解決できる問題】
■中小企業
・人手は足りないが、新卒の学生の採用は認知度が低くうまくいかない
■留学生
・日本が好きで来日したにも関わらず、文化や慣習の違いから就職することが困難
【付随して得られる効果】
■中小企業
・CSR の取り組みにより、企業ブランディングが可能
例:会社を息子に受け渡そうとしたら、相続税がとても高額だったため、そのお金を寄付して会社のブランディングにしたい。
■留学生
・留学生と日本人学生が混ざりあったコミュニティの形成
例:大学の寮を出てからは、うまくコミュニケーションが取れず孤独を感じていたが、 シェアハウスにより孤独感が解消し、日本への理解も深まった。
■空き家の活用
・空き家の活用による空き家率の低減
例:空き家が 30%を超えるとスラム化すると言われており、名古屋市中村区ではすでに 20%を超えている。
どうやっているのか
現在の私たちは、10名弱のメンバーで動いています。大学生や大学院生のインターンが主体となって活動しています。
そのほかのメンバーの経験やスキルは様々で、税理士や司法書士のメンバーもいれば、元外資系企業のメンバーもいます。
もちろん自身の勉強や努力も必要ですが、実業務を通して必要なスキルを身に着けて成長を実感できると思います。
現在は、各自それぞれ週に3日程度業務に取り組み、週に1回程度の打ち合わせで議論・決断し事業を進めています。
2017 年 10 月に社団法人が設立され、凝り固まったルールがまだ無い私たちだからこそ、このような自由な雰囲気でアイディアをどんどん実現していくことが可能です。