アイディアに価値はない
よく、鼻息荒く、「これ絶対に秘密ですよ!」と新しいサービスやプロダクトのアイディアを話す人がいます。けど、アイディアに価値はないんですよね。価値ゼロ。
例えば海外の凄いサービスのアイディアだけ見て、「こんなのを作ってよ」と外注しても、凄いものが生まれるなんてことは、ほぼありません。
ちょっと前に、Linkedinに買収されたCardMunchというサービスのCEOと会ったときに、彼も言っててハラオチしました。「名刺管理なんてアイディアは掃いて捨てるほどあるけど、本当に重要なのは、Executionだ」と。
アイディアに価値はなくて、それをどうやって実現するかで、最終的にそのプロダクトを使う側の印象は全く違うことになってくるんです。同じ「名刺管理アプリ」でも、天と地ほどの差がある。
だから、「つくれる」ことに価値があるんだと思います。
今後のエンジニアの定義というのが、UX(ユーザの体験)も設計できるエンジニア、という風になってくると思っています。よく、15年ぐらいまでに日本の映画とかメディアで描かれていた3K労働的なエンジニアが設計図見てその通りに家を作る土建屋なら、これからのエンジニアは、住む人のヒアリングから設計、建設まで一人で全部出来る人のことだと言ってるんですが、そういったクリエイターが、作りながら「あれ、ここはもっとこうした方がいいか」とか、「この動きはこうしよう」といって、動きながら考えるものが一番凄いんですね。
設計書をそのまま作るだけの土建屋なら、どんどん賃金が安いオフショアにいきますよ。でも、設計もできて作れちゃう人というのは、コストの勝負とかとは次元が違うんですよね。
特にモバイルになってからは、ピンチしたり、転がしたり、立体的な動きの疑似体験ができるようになったので、「作る段階における作り込み」ができる程、強いと思います。
ですので、凄いアイディアを思いついてしまったと息巻いている皆さん、是非、せめてプロトタイプぐらいまでは「つくれる」ようになりましょう。