こんにちは、北海道下川町のタウンプロモーション推進部・立花と申します。
ところで、北海道の下川町って、どこかご存知ですか?
ピンが立っている、ここ!
映画などで一躍有名になった旭山動物園が、旭川市というちょうど北海道の真ん中あたりに位置しているのですが、その旭川の空港から車で北上すること約一時間半。
夏は新緑と牧草地、冬は雪原を走り抜けた先にあるのが、下川町です。
町面積の9割が森林に覆われ、林業・林産業が基幹産業の下川では、木を活かした持続可能なまちづくりに取り組んでいます。
森林の町で、なぜしいたけ? その理由は、町を支えるある仕組みと、未来へ挑戦する姿勢にあります。
エネルギーを自給自足して過疎地を再生せよ!
その中の心臓部と言えるのが、エネルギーを作り出す「木質バイオマスボイラー」。
製材の過程などで出た木質チップを各倉庫にまとめ、ボイラーで燃やします。
その熱で温水を作り、温水が配管を通って施設や住宅へ送られるという仕組み。
このおかげで冬はマイナス30度にまで下がる下川でも、快適に暮らすことができるのです。
この熱供給が、一般の住宅地まで行き届いているのが下川町内の一の橋という地区。
かつては栄華を極め、映画館などもあったと言われる地域ですが、現在は150人弱が暮らす小さな集落です。
熱供給が全体へ行き渡り、渡り廊下で除雪が不要の「集住化住宅」を2011年にオープン。「一の橋バイオビレッジ」として、地元の方や外から移ってきた方を含め、暮らし始めました。
けれど、バイオビレッジが設立された当初の人口は95名。高齢化率は50%を超えていました。
鉱山があった頃は、そこで働く人々の住まいとなっていたため2,000人以上の人が暮らしていた一の橋ですが、鉱山が休山になるとどんどん人口が流出し、高齢化。
仕事もなく、住みつづけることが難しくなっていったのです。
そこで、住宅を確保すると同時に、仕事も生み出そうと、木質バイオマスボイラーの余熱を使って始まったのが、一の橋の菌床しいたけの栽培でした。
5年で売り上げが2倍に!一の橋しいたけは、これからますますおもしろくなる
一の橋地区で育ててきた菌床しいたけは、2011年に栽培が始まりました。
その後、2016年には、2,600万円だった売り上げが5,600万円に倍増。
その上、高齢化率50%だった一の橋地区の人口の割合が、2016年には27%まで落ちたのです。
……ということは、人口は変わらず若い世代が一の橋へ入って来たということ。しいたけ工場での雇用が生まれたため、家族や若い夫婦などが一の橋で暮らしやすくなったのです。
うれしいことに、下川町産のしいたけは、北は稚内、南は旭川まで徐々にその販路を広げています。
今は、生しいたけと乾燥しいたけが中心ですが、これから加工品を販売したり、新しい販路を拡大したりとまだまだ伸び代がある産業です。
ただの1次産業ではなく、町の暮らしを支え、同時にエネルギー自給から派生した新しいなりわいとして、今こそアップデートが必要なのです。
もし、農業や6次産業化に興味がある方は、ぜひ一度下川町へお越しくださいね。
新しいチャレンジ精神と志がある方なら、歓迎いたします!